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金剛山歌劇団創立55周年記念特別公演「朝鮮舞踊の緋緞道(シルクロード)」

心に響く朝鮮の舞とサウンド、熱気に包まれた会場 1800人が観覧

観客の心をつかんだ群舞「大河」

 金剛山歌劇団創立55周年記念特別公演「朝鮮舞踊の緋緞道(シルクロード)」が6日夕、東京・上野の東京文化会館大ホールで上演された。

 朝鮮現代舞踊の過去・現在・未来を同劇団の18人の舞踊家たちが華麗な舞で披露した公演を、総連中央の許宗萬責任副議長、梁守政副議長、「益柱副議長、高徳羽副議長、文芸同中央の金正守委員長、金剛山歌劇団の李龍秀団長、同公演実行委員会の金美善委員長ほか同胞、日本市民など1800人が観覧した。

 舞踊曲を演奏したのは、今回3度目の共演となる同劇団の民族管弦楽団と、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団。

 舞台は日本の植民地支配の最中「東洋の舞姫」として一世を風靡し、朝鮮現代舞踊の礎を築いた崔承喜が創作した幻の独舞「荒波を越えて」で幕をあげた。その後は、人々の豊かな暮らしを夢見て機織工場で働く朝鮮の女工たちの闊達な姿を描いた群舞「絹糸を紡ぐ乙女たち」、朝鮮民俗舞踊の名作といわれる三人舞「寺黨の舞」、群舞「チェンガンの舞」、そして同劇団オリジナル(按舞=功勲俳優・康秀奈)の群舞「春香伝」「高句麗三神仏の舞」など13作品が舞台を飾った。

 また、同劇団出身で人民芸術家の任秋子さんが代表を務める「任秋子民族舞踊団」の群舞「小長鼓の舞」と、金英蘭朝鮮舞踊研究所の群舞「ソゴチュム(小鼓の舞)」が花を添えた。

スピーディーな動きが特徴的な三人舞「寺黨の舞」

 観客の心をとくにつかんだのは、群舞「大河」(按舞=康秀奈)だった。この作品には、朝鮮民族の分断の悲しみと祖国統一への強い願いが込められている。

 公演終了後、作家の柳美里さんは、「心に直に響く舞台だった。とくに、群舞『大河』に感動した。『リムジン江』の調べに乗って、一滴一滴のしずくがせせらぎになって、大河につながっていく踊りは、朝鮮民族の力強い生き様を表現している。今、日朝関係は厳しい時期なので、私も勇気をもらえた。三人舞「寺黨の舞」のスピーディーな踊りや、沈み込むような静かな伝統的な踊りなど多様な舞台にとても魅了された。また、子どもたちの踊りも素晴らしかった。振り付け、テクニックだけでなく、民族の心があふれているようだった。いま、日本の一部のメディアなどが『無償化』問題などで、朝鮮学校のイメージを歪めて伝えている。そんな中で朝鮮学校では素晴らしい芸術活動が行われていることがわかる今日のような公演を、日本人にもっともっと見てもらいたいと思った」と感想を述べた。

 中野区議会議員の江口済三郎副議長は、「躍動感にあふれる舞台は素晴らしかった。民族分断の厳しさを表現していると同時に、朝鮮民族の明るい未来と希望が表現されていて、まるで私たちに訴えているようだった。群舞『願う心は一筋に』はとくに感銘を受けた。東京シティ・フィルの演奏もよかった。文化、芸術を通じてもっと日朝間のつながりを深めていき、東アジアの平和と共生を必ず実現させていかなくてはならない。そのためにも多くの日本人にもこの公演を見てもらいたい」と語った。

「ソゴチュム」(金英蘭朝鮮舞踊研究所)

 牧山喜子さん(73、横浜市)は、「統一を願う『大河』に涙が出た。美しい音楽と踊り、それを表現する人たちの思いが心に響いてきた」と目を潤ませていた。

 李美香さん(23、兵庫県)は、「すごく感動した。日本の社会で暮らしていて忘れがちになっていた朝鮮人としての感情が勢いよく芽吹いてくるような感じがした。民族の心を守っていくのは大切なこと。公演を通して舞踊家たちの感情が伝わってきた。音楽も素晴らしく、朝鮮と日本の芸術家たちが一つの公演を作っているということも感動的だった。東京だけではなく、ぜひ関西にも来てもらいたい」と熱く語った。

 リ・ヘジンさん(34、釜山)は、「金剛山歌劇団の公演は初めて観た。あまりに感動的で何と言ってよいかわからないほどだ。朝鮮舞踊はバレエ的な要素が含まれていて新鮮だった。個人的には『高句麗三神仏の舞』が良かった。歌声も美しく、出演者たちの情熱が伝わってきて感動した」と話した。(文=金潤順、尹梨奈、写真=文光善、盧琴順記者)

「変幻自在、動と静のリズム」 鳴りやまぬ拍手、客席と一つに

「幸せな音楽空間」の共有 東京シティ・フィル奏者たち

公演の感想文から

[朝鮮新報 2010.5.10]