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朝鮮学校03年度から新教科書、民族性育成、全面に

 2003年度(今年4月)から朝鮮学校の新カリキュラムがスタートする。教科書も大幅に改編される。10年ぶりに変わる教科書は、21世紀を生きる同胞の子どもたちが日本はもちろん、北南朝鮮、国際社会を舞台に力を発揮できる民族性と実力を育てるための全面改編になっている。

初級部から

 教科書が改編されるのは今回で6回目。総聯結成(55年5月)後55〜57年、63〜64年、74〜77年、83〜85年、93〜95年にかけて行われてきた。改編は03年度から06年度まで順次進められ、03年度は初級部の全教科書(49点)と中、高の一部を変える。中級部は05年度に改編する3年の社会を除いたすべてを04年度までに完成させ、高級部は06年度まで順次進めていく。全118点。

4月から朝鮮学校で新しく使われる教科書の一部

 今回の改編は、同胞社会の世代交代、同胞を取り巻く時代と環境の変化、朝鮮学校に対する同胞のニーズ、日本の実情を考慮したものだ。@しっかりとした民族自主意識、質の高い民族的素養を備え、在日同胞社会に対する正しい歴史認識と主人公としての自覚を持ちながら、北南朝鮮、日本や国際社会で活躍できる資質と能力を備え、A仲むつまじく豊かで力ある同胞社会を築くことができる人材の育成をめざす。民族性を育むうえで重要な位置を占める各地の朝鮮初中級学校を、同胞に開かれた場にするための措置でもある。

 @朝鮮歴史、国語、社会、音楽、美術など民族性を育てる科目を充実させA科学技術の発展、情報化社会への移行に合わせ理数、情報教育を強化しB日本・国際社会に能動的に対処できるよう北南朝鮮、日本と世界に関する知識をより幅広く取り上げた−点が特徴だ。

 初6、中2、3で学ぶ「朝鮮歴史」は北南朝鮮、海外の同胞が共有できる「統一教科書」をめざした。中3「朝鮮歴史」では、日本の朝鮮植民地支配時に国内外の各地で展開されたさまざまな民族独立運動を具体的に取り上げる。 

 「国語(朝鮮語)」は、口語教育(聞くこと・話すこと)を決定的に強化する。初中高全体を通して授業内容の約30〜40%を口語教育に割きながらも、読み、書き技能を総合的に高め、豊富な言語知識、豊かな民族性を育てることができるよう記述した。

 また、「社会」は初中高の全課程で南朝鮮と統一問題を扱ったのが特徴だ。「6.15北南共同宣言」に象徴される統一をめぐる新しい情勢を念頭に置き、南朝鮮を統一のパートナーとして位置付け、客観的な知識を与える。また、各科目で現代社会が抱える環境、生命倫理、情報化問題、障害者の視点も取り入れた。

 新しい教科書は初級部がすべて、中級部は4科目を除いた教科書がすべてカラー化される。

 教科書編さん作業にあたるのは、教科書・学習用図書出版社である学友書房の教科書編さん部員、朝鮮大学校教員、実際に教える朝鮮各級学校の教員ら。99年10月に編さん委員会が発足し、検討が進められてきた。教科書改編にともない、朝鮮学校教員を対象にした講習も開かれている。

週5日制も

 朝鮮学校では、03年度から土曜日を課外活動などにあてる「週5日制」を導入する(幼稚園、幼稚班は除外)。月〜金に授業を行い土曜日は月に1回は休み、残りは民族性、社会性を育むための課外活動、課外授業にあてられる。「5日制」への移行に伴い、授業時間が従来に比べ初、中は基本的に週2時間、高級部は週3時間減る。

 また、高級部は高2から文系(가(カ)班)、理数系(나(ナ)班)、商業班に分ける現在の学級編成を文系、理数系にし、選択科目に幅をもたせる。選択科目としては朝鮮文学、朝鮮地理、世界文学、世界歴史、2言語演習、英会話、音楽、美術、体育、情報、商業などが定められているが、学校の裁量で独自に科目を設けることができる。(張慧純、李明花記者)

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[朝鮮新報 2003.1.23]