関東大震災から79年
各地で虐殺された朝鮮人追悼
関東大震災発生(1923年9月1日)79周年に際し、根拠のないデマで虐殺された朝鮮人を追悼する催しが各地で行われた。
1日も早い追悼碑建立を 東京・荒川朝鮮人殉難者追悼式 関東大震災79周年朝鮮人殉難者追悼式が6日、東京荒川河川敷木根川橋のたもとで行われた。 「関東大震災時に虐殺された朝鮮人の遺骨を発掘し追悼する会」(追悼する会)が82年から毎年、9月の第1土曜日に行ってきたもので、地域の日本市民、東京朝鮮第5初中級学校生徒らが参加した。 追悼式では、開会の辞に続き近隣の寺院や教会の僧侶や牧師らが、賛同人としてあいさつを行った。 「追悼する会」の矢野恭子氏は、「戦前には言えなかった体験者たちの証言を、戦後になって風化させてはいけない。それらを受け継ぐのは自分たちの責任だと思いやってきた。まだこれといった結果は出せずにいるが、追悼碑建立まで頑張りたい」とあいさつした。 また、追悼式に参加した石井よしのぶ都議会議員(公明党)は、関東大震災の時、流言ひ語により多くの朝鮮人が命を落としたとしながら、「この事実を風化させないためにも、追悼碑建設に全力を傾けていく」と話した。 追悼式ではあいさつに続き、ソプラノ歌手の李松子さんが「鳳仙花」を歌うなか、参加者らによる献花が行われた。 献花を終えた参加者らは、農楽サークル「プンムルベ」の農楽とともに、朝鮮人殉難者の魂を慰霊した。 追悼式にはじめて参加したという東京第5の金曙光くん(初6)は、「式でもらったパンフレットに当時の新聞記事が載っていて、当時の悲惨な状況をあらためて実感した。こうした機会をたくさん作って、在日朝鮮人に対する差別が少しずつでもなくなればいいと思うし、そのために自分も頑張ろうと思う」と話していた。 「追悼する会」の西崎雅夫氏は、「追悼碑建立のため東京都や墨田区に陳情するなどいろいろと努力してきたが、行政は『真相がはっきりしない』などの理由でいまだ実現していない。決して風化させてはいけないことだし、地域ではかなり浸透してきた。これを励みに今後も努力したい」と述べた。(李松鶴記者) 総聯、民団、行政合同で/埼玉の3地域で同胞慰霊祭 八千代市内の追悼碑訪ねる/千葉で犠牲者追慕し集会 「日本人への問い」震災題材に演劇/歌舞音楽集団「荒野座」東京第1朝中生対象 |