朝鮮の豪雨被害 各地で復旧作業に全力 |
現地に続々と救援物資到着 住民生活の安定最優先 既報のように、今月7日から朝鮮半島北半部で降り続いた豪雨によって各地に甚大な被害が出ている。14日現在、8万8400余世帯の住宅が全・半壊、浸水、全農耕地の11%以上が流失、水没、冠水、罹災者30万人以上など、おびただしい人的、物的損害が報告されている。当該機関では正確な被害状況の把握に努める一方、復旧のためのさまざまな対策を講じている。各被害地域に国の救援物資が届けられ、現地では軍、官、民共同の復旧作業が本格的に始まっている。
朝鮮中央通信によると、内閣と省、中央機関が中心となって各道、市、郡の被害復旧計画を立案、罹災民の生活安定に優先的な力を注いでいる。 国家計画委員会、建設建材工業省、金属工業省、軽工業省などの各省や中央機関では、復旧に必要なセメントや鋼材を被害地域に優先的に供給し、地域住民の生活を一日も早く安定させるための対策を講じている。 収買糧政省と商業省は被害地域へ食糧と基礎食品供給を最優先させている。 保健省では、関係者らが医療チームとともに文川市、川内郡(江原道)、陽徳郡(平安南道)、谷山郡、新坪郡(黄海北道)、などに駆けつけ医療サービス活動を展開中だ。 鉄道省でも流失した鉄道路盤と寸断された鉄橋、通信施設の復旧に全力を挙げている。 一方、朝鮮赤十字会は1万6000世帯におよぶ被害地域住民に毛布、テント、炊事道具、浄水薬などの緊急救護物資を配布した。また、1万3400人の赤十字ボランティアらが被害地域住民を疎開させ、彼らの生活を安定させるための活動を行っている。 被害地域では軍隊と住民が力を合わせ、復旧作業を急ピッチで進めている。 黄海北道の谷山、新坪、新渓、端興、延山郡では、住民と関係者らが壊れた住宅と公共建物の再建、冠水した農耕地の復旧、整理活動にあたっている。 平安南道、江原道、黄海南道、咸鏡南道でも、冠水した田畑の復旧と破壊された道路と橋の復旧作業が進行中だ。 インフラ再建急ぐ
一方、被害の大きかった首都・平壌でも、市民らが全力で復旧活動にあたっている。 市人民委員会は壊れた住宅の再建、浸水地域の住民生活の安定に重点をおきながら、同時に生産設備や電力供給設備、通信設備、道路など主要な被害対象を復旧するための活動に力を入れている。 普通江区域では運河地区にある数十の行政機関、企業所や普通江遊園地、峰火通りなど浸水被害を受けた地域のポンプ場に電力を優先的に供給してたまった水を吸い上げ、倒木と土砂を片付ける作業を行っている。 平川区域と船橋区域、西城区域、兄弟山区域など市内の各行政区域では崩れた堤防を再建し、洪水と山崩れによって堆積した土砂を取り除いている。 建物が浸水した結果、600台を超えるメリヤス針設備と変圧器が水に浸かった平壌メリヤス針工場や平壌子どもメリヤス工場を含め、被害を受けた市内の工場では、倒壊した壁を修理し、生産の正常化に向けた復旧作業を進めている。 一方、市では大同江と普通江の遊歩道と遊園地、遊戯施設などで被害の拡大を防止する対策も講じた。 各省、中央機関の職員らも市内の各所で水害の復旧作業に取り組んでいる。
19日には総動員で綾羅島の復旧作業を行った。今回の豪雨で車道と歩道、芝生エリアなどに3万余m3の土砂と泥がたまり、1000本を超える木が倒れ、道路も寸断されるなど同地区も大きな被害をこうむった。 この日、最高人民会議常任委員会、内閣事務局、中央検察所、教育省、青年同盟中央委員会をはじめとする各機関の職員らは手にスコップを持って泥を取り除き、道路を整備した。また、芝生の移し替えや街路樹の整理を行った。 市農村経理委員会の職員らは江南郡、楽浪区域、順安区域など市周辺部の冠水した農場の排水作業を現場で指揮する一方、冠水したり風雨によって倒れたりした農作物を植えなおし、野菜の種まきを再度行うための準備を進めている。 市職員と市民の献身的な活動によって、平壌は豪雨の被害から次第に立ち直りつつある。 国際赤十字、赤半月会 被害地域を視察
20日発朝鮮中央通信によると、朝鮮に駐在している赤十字・赤半月会国際連盟の代表団が咸鏡南道の被害地域を視察した。 代表団は金野郡と定平郡の被害地域を見て回りながら、今回の豪雨によって破壊された住宅と埋没、冠水、流失した農耕地、罹災民の生活状況などについて具体的な調査を行った。 (関連記事) [朝鮮新報 2007.8.22] |