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朝鮮各地で甚大な豪雨被害、被害拡大防止と復興事業呼びかけ

農地の11%埋没、流失 8万8400余世帯が浸水被害

 【平壌発=姜イルク記者】7日から連日降り続いた豪雨により、朝鮮各地で大きな被害が出た。多くの区間で道路と鉄道が破壊され、住宅や公共の建物が水に浸り、ぼう大な面積の農地が浸水、流失するなど、被害規模はばく大だ。

大同江水位上昇

豪雨により浸水した黄海北道の逐安郡鉱山機械工場 [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 平壌市も深刻な大雨被害に見舞われた。

 平壌市には7日から14日までに580ミリの雨が降った。この間、雨の降らなかった日はなかった。15日夕方にも雨が降り、16日午前にやっと雨が上がった。

 大同江の水位は11日に急速に上昇したが、12日午後、一時的に元に戻った。労働新聞14日付によると、西海閘門事業所では9日から13日までの間に年間処理量の約50%に相当する量の水を処理したという。

 しかし13日以降も雨が休みなく降り続けたため再び水位が上昇し、遊歩道が完全に水に浸った。

 大マスゲームと芸術公演「アリラン」が行われている綾羅島では、メーデースタジアムがある上流地区の被害は少なかったが、その反対側は完全に水に浸り、公演に支障が出るのではないかと憂慮された。

 大同江岸は16日午前11時頃から遊歩道が見えるまでに回復した。

水位が上昇した大同江(撮影=盧琴順記者)

 大同江の水位が上がったことにより、普通江区域、平川区域などでは通常時のように雨水が大同江へ抜けず豪雨と浸水の大きな被害を受けた。

 市内の6400余世帯の住宅が被害を受け、路面電車の運転も中止。300余の公共建物が倒壊し、24カ所の道路(500メートル以上)が破壊された。また数十カ所の地下連絡通路が浸水し、多数の街路樹が倒れた。上下水道網も麻痺した。

 市周辺の農村では水稲とトウモロコシ、豆をはじめとする穀類の作物が後半期の生育に大きく影響を受け、十分な収穫を期待することが難しくなった。

 多くの農村で種まきをしたばかりの白菜栄養苗床とダイコンが土砂に埋まるなど、農業部門の損失も大きい。

 大雨の影響は市内の工場にも及んだ。

 労働新聞16日付によると、平壌子どもメリヤス工場、平壌メリヤス針工場、平壌メリヤス機械工場で建物の壁が崩れ、電動機、変圧器をはじめとする設備が水に浸った。平壌メリヤス工場では4500uにわたって建物が浸水、600余台の編針設備と変圧器が水に浸った。

 16日午後1時現在、いまだ通信が復旧されていない地域もある。

連日全国にアピール

 豪雨は7日から全国的範囲で降り続いた。

 降水量が多かったところでは、7日0時から14日午後6時まで平安南道北倉郡で796ミリ、平城市で766ミリ、徳川市で760ミリ、瑞興郡で769ミリが観測された。

 報道によると14日現在、全国的に農作物の播種面積の11%以上が浸水、埋没、流失した。

 とくに西海岸での損失が大きかった。

 集計によると平安南道で2万余ヘクタールの田と6700余ヘクタールのトウモロコシ畑、黄海南道で1万4000余ヘクタールの田地と6000余ヘクタールのトウモロコシ畑、そして黄海北道で3万7000余ヘクタール、平壌市で8200余ヘクタールの田畑が埋没、流失し、収穫の見通しが難しくなったとされている。

 また全国的に8万8400余世帯の住宅が浸水、破壊された。

 江原道と黄海北道で各2万余世帯、平安南道で1万8000余世帯などである。

 とくに江原道昌道郡では7000余世帯の住宅が浸水、破壊され、多くの人命被害に見舞われた。

 電力工業部門も被害を被った。虚川発電所、赴戦江6号発電所、通川1号発電所など各地の水力発電所が浸水、破壊され、4万余メートルの電線が泥に埋まったり流失した。

 鉄道の運行も支障を受けている。ほぼ100区間にわたって線路が寸断された。

 国内の新聞、テレビは連日、「全党、全国、全民が豪雨被害を防ぎ復興事業に立ち上がろう」と呼びかけている。

 また、連日現地での被害状況と今後予想される天気を伝えながら注意を喚起する一方、各地の豪雨被害復興作業のニュースを伝えている。

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[朝鮮新報 2007.8.22]