朝鮮各地で豪雨被害拡大、30余万人が罹災 |
人民生活と経済各部門に大きな影響
既報のように朝鮮で7日から降り続いた連日の集中豪雨によって、人民生活と経済の各部門で多くの人的、物的被害が発生した。洪水による被害の規模は、日が経つにつれて拡大している。 14日現在、平壌市と黄海南・北道、平安南・北道、江原道、咸鏡南道などの地域で4万6580余棟、8万8400余世帯の住宅が全・半壊、浸水し、30余万人が罹災した。 また、400余の工場、企業所が浸水した。 経済部門で被害が大きかったのは、農業、鉄道運輸、採掘など。
農業部門では、全国の耕地面積の11%以上が流失、水没、冠水した。とくに、西海岸の穀倉地帯である黄海南道では、豪雨と暴風によって2万余ヘクタールの田畑が被害を受け、穀物生産に莫大な支障をきたしている。 鉄道運輸部門では、全国で100余カ所、7万8000余m3の鉄道路盤が流失し、4つのトンネルが浸水した。また、57カ所、3万6000余m3の鉄道壁が破壊され、13の鉄道変電所が浸水、1160余の鉄道通信用の電柱と120余のコンクリート電柱が破壊され、旅客および貨物輸送が中断を余儀なくされた。 今回最も降水量が多かったのは大同江上流と中流地域。平壌は7日から14日までの間に580ミリの大雨が降った。7日から11日までの同地域の降水量は平均524ミリで、1967年の大洪水時に記録された472ミリより52ミリも多い。中央気象研究所によると、大同江流域全体で、40年ぶりの記録的な大雨に見舞われたという。 復旧活動に総動員
現在、国内では復旧作業が急ピッチで進められている。 朝鮮中央通信によると、被害規模が大きかった鉄道運輸部門では、内閣と国家計画委員会の指導のもと鉄道省がセメント、鋼材など必須資材を復旧現場に優先的に送っている。 最も甚大な被害を受けた平安南道陽徳郡と江原道に現場指揮部を立ち上げ、鉄道の路盤と鉄橋の復旧作業を急いでいる。 復旧作業を鉄道部門の労働者と被害地域周辺の住民が積極的に行っており、破壊された路盤などがひとつずつ復旧しているという。 一方、首都平壌でも市民と市内の物的資源を総動員した復旧活動が続いている。市人民委員会をはじめとする人民政権機関では被害状況を具体的に把握し、被害地域の住民の生活を安定させるための対策がとられている。 水害発生の数日後には被害地域の電力、水道水の供給、通信、交通運輸が回復した。止まっていた工場の生産設備も正常に稼動し始めている。また、大同江と普通江の遊歩道や橋、ボート乗り場をはじめとする遊戯施設などで被害の拡大を食い止めるための徹底した安全対策が講じられている。 市周辺の農村地帯でも農作物被害の復旧に力を注いでいる。(朝鮮通信) 南、米国が緊急支援 朝鮮で起きた水害に対して、南朝鮮や米国が人道支援を申し出ている。 17日、南朝鮮の李在禎・統一部長官は当局のレベルで食糧や生活必需品、薬品など71億ウォン(約8億5000万円)相当の緊急救護物資を送ると発表した。 また、米国政府の対外援助統括機関である国際開発局(USAID)は、10万ドル(約1100万円)相当の物資を2つの非政府組織(NGO)を通じて緊急支援する用意があると明らかにした。 これ以外にも、南側の民間団体や在米同胞団体らが水害復旧支援活動を行っている。 (関連記事) [朝鮮新報 2007.8.20] |