警視庁、拉致問題を口実に大阪府商工会などを強制捜索、不当な政治的謀略 公権力の濫用 |
警視庁公安部は、ある中華料理店経営者が26年前に大阪府商工会の理事長をしていたという理由だけで23日朝、「国外移送目的拐取と監禁などの容疑」で在日本朝鮮大阪府商工会(大阪市北区)など6カ所を強制捜索した。拉致問題と意図的に結び付けようとする今回の強制捜索は、在日朝鮮人と総聯傘下団体に対する不当極まりない政治的弾圧、謀略であり公権力の濫用、暴挙である。
捜査員たちが、商工会の入っている(5階)ミレ信用組合のビルに踏み込んで来たのは8時42分だった。 不審な緑ナンバーの車がビルの回りに停車、7時30分頃からマスコミ関係者が集まり始めていたが、ミレ信用組合としては心当たりがなかった。 記者たちが建物を撮影し始め喚声が聞こえた8時30分、20人弱の捜査員が建物に足を踏み入れてきた。当時、責任ある立場の職員はまだ出社しておらず(男性1人と女性3人)、居合わせたミレ信用組合の職員が待つよう求め、必死に強制捜索を抑えた。
しかし、捜査員たちは「9時には入る」と宣告し、ついに9時過ぎ府商工会経理室に府警機動隊員約20人と共になだれ込んできた。捜索責任者は「5階立ち入り禁止」とわめいていたという。 テレビ各社は、ミレ信用組合の看板を大写しにし、あたかも「拉致」問題に関与しているような報道を垂れ流した。 この間に、急を聞きつけた大阪府本部などの職員たちが商工会に駆けつけ不当捜索、政治弾圧に激しく抗議、即時ビルの解放を求め詰め寄るが、捜査員たちは無視したまま商工会経理室(9時5分〜12時40分)、総務部室(12時40分〜)、会議室(16時54分〜)などを17時30分まで捜索した。
18時、捜査員らが押収物と共に撤収しようとした際、職員らは「(テレビの)報道に合わせて出てきたんか」と、手を後ろに回し猛抗議、一時もみ合いとなった。それから騒然とした状態が約7分ほど続いた。 そして、押収物の入ったダンボールを車に詰め込んで出ようとする捜査員たちに向かって職員たちは「不当な政治弾圧やめろ!」「不当捜査許さないぞ!」と書かれたプラカードを掲げ、シュプレヒコールを繰り返し不当弾圧に対する怒りと憤りを露にしていた。 無関係と怒る職員、強く抗議 経理室の 職員 9時に出勤したらすでに中に入れない状態だった。会員からの電話、急ぎの用事もあったのにまったく仕事ができなかった。マスコミ報道を目にして会員たちがどう思うか。われわれは何の関係もない。逆に被害を被った。 経理室の黄在明さん(21):8時20分に出勤した。8時30分にビルに捜査員が踏み込んできた。何のことかわからなかった。8時50分、5階に上がってきて捜索を始めた。自分以外に女性職員が3人いた。捜査が始まり、自分の手帳を持って外に出ようとしたら「置いていけ」と言われた。プライベートなものまで押収するのか。 総務部の金原賛総務部長:8時40分に出勤した時、すでに捜査員は5階にいた。8時50分ごろもみ合いになった。公安は捜査当初、「法務員がいる、立会いなしで捜査できる」と言い、「拒否するのか?」と問いただしてきた。今回の容疑とは全く関係がない。これまでわれわれが同胞商工人らと積み上げてきたものを、一瞬にして踏みにじられた。(本紙取材班) (関連記事) 〈警視庁不当強制捜索〉 在日本朝鮮大阪府商工会 呉政輝理事長の談話 [朝鮮新報 2006.3.25] |