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北海道 強制連行、労働考える全国集会−犠牲者の埋葬地など見学

集会には各階層の人たちが参加した

 朝鮮人、中国人の強制連行強制労働を考える全国交流集会in北海道「アジアの真の和解と平和のために〜戦後補償の実現を〜」が9〜11日の3日間にかけて行われた。

 遺骨問題(強制連行、労働の犠牲者となり、故郷に戻ることのできなかった朝鮮人の、道内の寺院などに放置されている遺骨の返還に協力する)の解決を目指し、03年に立ち上げられた北海道フォーラムのメンバーをはじめ、市民団体、研究会、弁護士、大学院生など各階層の人々が集まったほか、朝鮮人強制連行真相調査団の洪祥進事務局長も参加した。同集会は、日帝強制連行、強制労働問題に関心を寄せる人々が国内的、国際的共同行動による真相究明を進め、遺骨を遺族に返還し、戦後補償を実現するための東アジアのネットワーク作りを目的としている。また、北海道における近年の取り組みを報告するとともに、日本各地や諸外国での取り組みを交流しあう場にもなった。

美唄市の炭鉱跡を見学する参加者たち

 1日目は、札幌市内の「カデル27」で7人による提言、各地参加者からの報告、全体討議などが行われた。2日目のフィールドワークでは、北大アイヌ納骨堂・古河講堂、江別市対雁墓地、美唄市炭鉱跡などアイヌ、朝鮮、中国など多くの人々が悲惨な労働に従事させられ、犠牲となった現場を巡った。パネルディスカッション、交流会なども行われた。

 最終日には、数千人の朝鮮人らが過酷な労働を強いられ、200人以上の犠牲者を出した朱鞠内ダムや強制労働犠牲者が埋葬された墓地、発掘された遺骨と副葬品、数多くの位牌が安置されている旧光顕寺・笹の墓標展示館などを見学した。

 参加者たちは、「多くの人たちが命を落としたこと、いまだ遺骨が発見されていない人々のことを思うと胸が痛む」としながら、みんなで力を合わせ、遺骨を発掘し、返還する活動などによりいっそう取り組むことを誓った。

 北海道フォーラムの共同代表を務める総聯北海道本部の蔡鴻哲副委員長(胆振日高支部委員長兼)は、「来年の光復節60周年・日本敗戦60周年に向けて、日本国内の関連団体や研究者らが一丸となって日本の過去清算を求める運動を進めていくことを確認し合ったことが今回の集会の成果といえるだろう」と語った。

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[朝鮮新報 2004.10.23]