今年で8回目、焼肉店経営集中講座、一流講師陣の講義、パネルディスカッションから学ぶ |
在日本朝鮮商工連合会と同胞飲食業者協議会主催の「2004年度朝鮮料理(焼肉)店経営集中講座」第1回講座が5、6の両日、東京・上野の朝鮮商工会館で行われ、在日同胞、日本人を含む約50人の経営者、店長らが参加した。テーマは「プライドを賭けた焼肉店経営」。8回目となった今講座では、各講師による講義と店舗見学などが行われた。参加者らは経営ノウハウ、人材育成の術などを学びながら自店の見直しを図るきっかけを得ていた。(金明c記者) 当たり前の事をやる 開講式では同胞飲食業者協議会の安海元会長、商工連合会の呉載世理事長があいさつ。つづいて「即実践できる! 焼肉経営ノウハウ」と題して経営コンサルタントで亜細亜大学講師の清水均氏が講義した。
清水氏は、激変する飲食業界の現状と焼肉業界の最新情報に言及しながら、不況下に伸びている店の違うところは個別対応、スピード、行動範囲、行動原則にあると指摘。「いい店ほど客に対する反応が早い。客一人ひとりの満足を得ること、その内容を知ることがとても大事」「社員としてふさわしい行動原則をとれる従業員であること」などが求められると言い切った。また、地域における自店のポジショニングを確認すること、あいさつや声の大きさ、店内の工夫など、当たり前のことを当たり前にやり続ける事が大切だと話した。 最後に「朝鮮のDNAと舌に自信とプライドを持つこと」と一言。参加者らの目も真剣だ。 夜には4つのグループに分かれ、正泰苑本店(荒川区町屋)と同芝大門店(港区芝大門)、雪月花(葛飾区新小岩)、太樹苑(渋谷区)の都内焼肉店をそれぞれ訪れ、メニューや内装、肉の味付けなどの意見交換を行った。 奥深い焼肉文化 2日目は、昨年から講師として登場し好評を博した(株)アイ・ボックスコンサルティング代表取締役の富樫正浩氏が、「人材育成の処方箋 パート・アルバイトの特効薬」と題して講義した。 講義はグループ形式で行われた。9つのグループ別にさまざまな焼肉店の場面を想定したレジュメを素に意見交換した。
富樫氏は、店の評判を決めるのはパート・アルバイトを含めホール係の接客態度によるところが大きいとして、接し方や気配りの仕方などをしっかりと伝えることが大切だと強調した。 また、客は入った瞬間の印象を大事にするので、「『従業員が店に入ったことに気づいてくれない』『注文した品物がなかなか出てこない』など、店の印象が悪ければ客は遠のくだけ。経営者と同じ意識で接してくれる従業員がいると、(客に)不満を与えず、徐々に満足を与えていくことになる」と語った。 つづいて(株)ショウエイ代表取締役の李昇在氏の話、最後にパネルディスカッション「個店時代到来、最強になるためにやるべき事」が行われた。その後、活発な質疑応答などで今講座を締めくくった。 山口県に店を構える(有)ライズ代表取締役の李起鮮さん。積極的な質問攻めから、当講座への意欲がうかがえた。「すべての講義が戦術レベルで伝えられていていい刺激になった。パネルディスカッションでもパネラーの生きざまからいろいろなものを学べた。次回も必ず参加したい」。 「将来焼肉屋をやりたいと思っている」と話すのは朝鮮大学校経営学部・飲食業研究会に所属する鄭在源さん(2年)。「焼肉業界の最新情報を得ることができるのでとてもいい勉強になった。今後の研究に生かしたい」。 韓国から日本に来て15年になる車銀姫さんは都内の焼肉店で働いている。講座には初めて参加した。「在日同胞らが作った焼肉文化はとても奥が深いと感じた。勉強することはたくさんある」と、講座内容の濃さに感心していた。 次回、第2回講座「ヒットメニュー習得編」は11月9、10の両日、朝鮮商工会館で行われる。 (関連記事) 「焼肉店経営集中講座 パネルディスカッション」 個店時代到来、最強になるため 大繁盛店の「昇家」、(株)ショウエイ(愛知・名古屋)代表取締役李昇在氏 [朝鮮新報 2004.10.16] |