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〈在日本朝鮮留学生同盟 過去・現在・未来〉 留学同中四国

 留学同中四国地方本部は岡山、四国、広島の3つの合同支部で構成されている。2002年3月24日に結成された同本部は他の本部に比べて活動範囲は広いが、同胞学生数は東京や近畿のように多くはない。

 そのため朝青を始めとした地域社会との連携を特に重要視していて、活動形態もユニークだ。その一つが「ダイアローグ(Dialogue)」という試みだ。

 本来、「対話」を意味する「ダイアローグ」。さまざまなバックグラウンドを持つ若者たちが行事を通して「対話」し、豊かな多文化共生社会を作ろうというのが趣旨。実行委員が集い、昨年2度の行事を行った。

若者の相互理解促進

 「ダイアローグ1」は、昨年の6月15日、「岡山6.15杯ミニサッカー大会」の形で行われた。

 北南共同宣言3周年を祝い、岡山県に住む在日コリアンと南朝鮮からの留学生、日本の大学生ら約100人がミニサッカーを楽しみ、焼肉を食べながら交流を深めた。

 行事の参加条件を、「共同宣言を支持する若者なら誰でも」としたことから、所属を越えた交流が初めて実現し、地元の新聞、テレビなどでも紹介された。

 「ダイアローグ2」はさらにバージョンアップした。「エスニックブレンド」と名付けられた行事は昨年11月9日に行われたが、「ホアランカフェ」(岡山市田町)が協力してくれた。

 趣旨は、参加者たちがカフェに集まり「対話」を通して民間の異文化交流を促進させようというものだった。

 参加者たちの好奇心、探究心、理解こそが岡山における多文化共生という公共精神を作り上げていくという実行委員会の狙いのもと、「多文化共生」「安価な日常空間の創出」「公共性」という三つのテーマが掲げられた。

 ハングル、日本語、英語、中国語の4カ国語の行事案内ビラを作成したため、さまざまな国籍の参加者が訪れた。1回目のサッカーには消極的だった女性たちも楽しむことができた。

 多くの若者が出会い、つながり、相互理解を促進させる契機となった。

朝青、日本人学生と共に

 留学同中四国のように同胞学生数の少ない状況で地域社会を巻き込む運動は、重要というか不可欠だ。

 昨年、鳥取環境大学に日本人と同胞の学生が協力して、コリア部というサークルを作り上げた。現在、岡山の大学に同じようなサークルを準備中だ。同胞学生だけだと少数で内にこもった活動になりがちな傾向があるが、朝青員や日本の学生を巻き込めばスケールメリットも出てくる。

 2月11日、広島で日校学生会と共催した「ウリヌントンイルセデ(われわれは統一世代)」という行事がいい例だ。

 留学同中四国では、週に1度の「民族の日」を基本に、留学同本来の学習会や活動を継続的に行いながら、「ダイアローグ」のような新しい試みにも積極的に取り組んでいきたい。

 地域社会でのさまざまな「対話」の促進は、殺ばつとした「北朝鮮現象」が吹き荒れるこの日本社会を作り変えて行くうえでも、少なからず役割を果たすことができると信じている。

金泰植委員長のコメント

 さまざまな価値観が乱立する現在の状況下において、まず自分がどこに立っているかを知ることはとても重要だ。その自分の立っている位置、歩んできた道を知る重要な手がかりが留学同活動にあると思う。

 「楽しくない運動は持続しない」。この言葉を深く思い知らされた2年間だった。楽しくないのはおそらく、同胞学生の現状にあっていないからだ。運動と同胞学生との「かい離」。その解消のためには同胞学生の声に耳を傾けることが何よりも大事だと思う。価値観を押し付けるのではなく、新たな価値観を共に創造していきたい。

 この2年間、知識不足や経験不足により失敗もたくさんあった。けれど「失敗した」と考えるのではなく「勉強した」と考えたい。「成功」の反対は「失敗」ではなく「何もしない」である。「失敗」の向こうに「成功」がある。今後も同胞学生の中に飛び込み、中四国を盛り上げていきたい。

留学同支部委員長のつぶやき

〈思い出の日々〉 留学同結成に向け奮闘

[朝鮮新報 2004.3.2]