強化される朝ロの共同歩調
ロシア外相の訪朝 親善協力関係を示威
【平壌発=本社金志永記者】ロシアのイワノフ外相の訪朝を契機に行われた一連の政治対話は、金正日総書記とプーチン大統領の関心のなかで日ごとに発展する朝鮮とロシアの親善協力関係が両国の利害関係に沿ったものであるばかりか、アジア・太平洋地域の平和と安全保障にも大きな寄与をしていることを知らしめたものだった。
2つの宣言に基づき こんにちの朝ロ関係を語る場合、見落としてはならない要点がある。 良好に発展する朝ロ親善関係は、金正日総書記とプーチン大統領間の厚い親交に基づいている。2000年平壌、そして2001年モスクワで行われた総書記と大統領の会談は、朝ロ関係を新しい段階に発展させる画期的な出来事だった。 とくに両首脳の会談を通じて採択された朝ロ共同宣言とモスクワ共同宣言は、政治、経済、軍事、科学技術など各分野での双務的協力関係の発展と国際社会における共同歩調の方向をはっきりと明示した。 イワノフ外相の今回の訪朝にも、両国首脳の間に成し遂げられた一連の合意を具体化するという意味が付与されている。総書記にイワノフ外相が伝達したプーチン大統領の親書は、このことと関連したロシア側の確固とした意志を込めたものだった。 朝ロ共同宣言とモスクワ共同宣言は、多極世界を創り出し、公正で合理的な国際秩序を樹立しようとする世界政治のすう勢と、6.15共同宣言の採択によって作り出された朝鮮半島の和解と統一の流れを前提にし、それに対する双方の原則的な立場を反映させたものだ。 ロシアは、統一問題を朝鮮民族自身、力を合わせ自主的に解決しようとする努力を歓迎し、外国の干渉を許してはならないということに対して朝鮮側と見解の一致を見た。 今回の政治対話では、現在の朝鮮半島情勢に対する深みある分析と意見交換が行われたという。このことと関連してイワノフ外相は「国際的安全と安定の見地から、すべての国が同等の条件下で協調しなければならない」という点において、朝鮮側と認識をともにしたと明らかにした。 すでに採択された2つの共同宣言に照らし合わせて見た場合、それは朝鮮との対話を一方的に中断し、対決路線を追求しながら北南関係の発展に大きな障害をもたらしている米国に対するけん制を意味していることは明白だ。 新しい国際政治の流れ 総書記とイワノフ外相の対話は、夕食会まで含めて5時間にわたって行われた。 外相が記者会見で明らかにしたところによると、総書記は北南関係の発展と朝米会談再開と関連した原則的な立場を表明したという。 相互の関心事に対する深みある対話は、朝ロ間の協力関係が絶え間なく発展しているこんにちの現実を実感させるものだ。 また総書記は、外相との会見席上に経済部門の関係者を同席させ、現在推進している経済管理の改善と関連した具体的な説明をするよう指示したという。 自国の経済政策に対する自信、経済的協力の同伴者に対する信頼感の表れだろう。 朝鮮における経済管理の改善は、社会主義の原則に基づいて進められている。イワノフ外相も記者会見で「ロシアと中国などの経験を想起させるが、これらの国では改革を実施しながら過ちを犯したり良くないことがたびたびあった」と語りながら、朝鮮は他国を模倣するのではなく独自の道を歩んでいる、と指摘した。 朝鮮とロシアはすでに朝ロ共同宣言において、それぞれの国々が自らの政治、経済、社会発展の道を選択することができる自主的権利を持っていることを確認している。 イワノフ外相は訪朝に先立ち、ソウルを訪問した。この過程で朝鮮半島の北と南、ロシア、ヨーロッパを連結する鉄道輸送路計画が現実的な課題として提起され論議された。この地域に冷戦時代と区別される新しい国際政治の流れが定着し始めたことを物語る端的な実例である。 朝ロ共同宣言とモスクワ共同宣言は、朝鮮半島に分断と対決の構図を強要し、この地域に戦争の危機をもたらしている米国の現政策と全面的に対立する以外にない。 一極化世界を志向する「唯一の超大国」も、いつまでも顔を背けていることはできないだろう。朝鮮の指導者がロシアの外相に伝達した朝米対話再開と関連したメッセージは、米国に変化した現実を直視し、分別ある行動をするよう強く求めるものだ。 |