W杯、南朝鮮快進撃、4位に

全世界に「コリア」を誇示


 6月29日、大邱で行われたサッカーワールドカップ(W杯)3位決定戦。南朝鮮はトルコに惜しくも2―3で破れ、4位に終わった。しかし今大会、予選から快進撃を続け、全世界に「コリアここにあり」を誇示した。南朝鮮は予選リーグを堂々の1位で突破。決勝トーナメントでもその勢いは衰えず、優勝候補のイタリア、スペインを相次いで破りベスト4入りした。これまでのW杯、アジア勢最高成績は1966年イングランド大会で8強入りした朝鮮。国際社会で最大のスポーツイベント、W杯今大会での南朝鮮の大活躍は、同じ血が流れる在日同胞らに大きな喜びと感激、民族の誇りを与えた。一方、朝鮮中央テレビもイタリア、スペイン、ドイツ戦などの競技を録画放映した。

イタリア、スペイン 優勝候補を次々と破る

 54年のW杯初出場後、86年から5回連続で出場を果たした南朝鮮。前大会までの成績は14戦4分10敗だった。しかし「ホーム」で開催された今大会、高い技術と闘志あふれるプレーで下馬評をくつがえし強豪チームを次々と下してベスト4入りした。

 予選リーグD組の南朝鮮は初戦のポーランド(FIFAランキング38位)を2―0で完封、念願の1勝を手にした。その勢いで米国(同13位、1―1で引き分け)、優勝候補のポルトガル(同5位、1―0で勝利)と対戦、1位で決勝トーナメントに進んだ。

 決勝トーナメント1回戦、相手は優勝候補の呼び声高いイタリア(同6位)。南朝鮮選手たちは、66年の大会で朝鮮がイタリアを下し8強入りしたことを指す「AGEIN1966」というスタンドの文字、大声援に励まされてか、試合開始早々から積極的な攻撃を仕掛けた。

 W杯で3度の優勝を経験しているイタリアの強さは、守備の固さにあるといわれてきた。先制ゴールを決めたのはイタリアだったが、南朝鮮は闘志むき出しに早い攻撃を展開、後半に同点に追いつくと延長戦でゴールデンゴールを決め2―1で逆転勝ちした。

 準々決勝では、「無敵艦隊」スペイン(同8位)と対戦。試合は前後半、双方ともにゴールを決めることができず延長戦にもつれこんだ。しかしそれでも決着がつかず、PK戦の末、南朝鮮が5―3で制し世界を驚かすアジア勢初のベスト4進出を成し遂げた。

 イタリア、スペインとの死闘を2試合連続で延長戦の末に勝ち進んだ準決勝、対戦相手は3度の優勝経験を持つドイツ(いずれも西ドイツ時代)。南朝鮮はサイドからの攻撃を再三仕掛けるが、ドイツのディフェンスに徹底して防がれ試合の流れを変えることができず、後半30分ゴールを決められた。試合終了間際、南朝鮮は執ような攻撃でドイツゴールを脅かしたもののゴールを割ることはできず、0―1で敗れた。

朝鮮中央TVも録画放映

チーム、選手の特徴など紹介

 本社平壌支局によると、朝鮮中央テレビは対イタリア、スペイン戦を録画放映した。

 イタリア戦、同テレビの解説員は、南朝鮮が積極的に試合を展開したことを伝えながら、チームについて、若い新人を発掘したのがヒディング監督の功労だと述べた。またゴールデンゴールを決めた安貞桓について、イタリアのペル―ジャに所属、国際舞台で活躍しており、大試合に強いと分析した。ポルトガル戦で決勝ゴールを決めた朴智星については、スピードのある攻撃選手で、李栄杓とともに中盤の選手だと解説。イタリア戦で同点ゴールを決めた薛g鉉については、高い技術を持ち、柳相鐵、洪明甫は経験豊富だと紹介したという。

 全世界が注目するなか、朝鮮民族の気概をとどろかせた南朝鮮。在日同胞は心からの声援を送りながら、彼らの活躍を通じて今、そのことをあらためて実感している。(時事欄に関連記事)

日本語版TOPページ