協力機構設置で連携密に
北南、海外共同で過去清算へ
平壌シンポの意義
強制連行調査団 洪祥進事務局長に聞く
5月3、4日に朝鮮で開催された「日本の過去の清算を求める平壌国際シンポジウム」に参加した朝鮮人強制連行真相調査団朝鮮人側事務局長の洪祥進氏に、今回のシンポの意義などについて話を聞いた。(社会欄に関連記事)
10年間の教訓と成果
今回のシンポの意義はまず、1990年代初から日本の過去の清算を求めてさまざまな角度から運動してきた関係者、団体が初めて一堂に会したことだ。「従軍慰安婦」を含む強制連行などの真相究明、国連での活動、日本国に対する裁判闘争、教科書問題など、あらゆる形で戦後処理問題に携わってきた関係者が席をともにして話し合った。 そのうえで、この10年間の教訓と成果を生かして、国際協力機構を作ることで合意した。今後、各団体、関係者の横の連携が密になり、運動の幅も広がる。 また、当初は予定になかった北南、海外団体による共同声明が発表されたが、今回のシンポではこれが重要な文献だ。日本帝国主義による植民地支配を受けた朝鮮半島の人々は最も大きな被害を受けた当事者であり、謝罪と補償を勝ち取るために率先して活動している。 声明は北の4団体、南の3団体、日米の海外2団体の計9団体が連名で発表したもので、「過去の清算問題の速やかな解決に向かって一致団結してたたかう決意を内外に示す」などとうたい、日本政府に公式謝罪と補償など3項目を要求した。 証言者を日本に シンポジウムでは強制連行に関する朝鮮北半部の被害状況が全面的に提起された。周知のとおり、強制連行は39年から45年にかけて集中的に行われたが、なかでも連行者数の最も多かったのが44年度で、しかも伝染病患者まで連れてくるなど、残酷極まりない方法がとられた。 44年度の特徴は、その多くが朝鮮半島北部から連行されたと考えられる点だ。しかも、その後の空襲で朝鮮人の多くが亡くなった。 そのような過酷な状況を生き抜き、朝鮮で生存している人は必ずいるはずだ。われわれは朝鮮側に調査を依頼し、その体験を広く知らせるために証言者を日本側に呼ぶつもりでいる。(談、文責編集部) |