そこが知りたいQ&A
最高人民会議10期5回会議が開かれたが
技術改造と現代化に力
経済に昨年比1.4倍の予算「安定的な回復局面に」
Q 朝鮮で最高人民会議(国会)が開かれたが。
A 第10期第5回会議が3月27日、平壌の万寿台議事堂で開かれ、金正日総書記以下、党と軍、政府の幹部、最高人民会議代議員らが参加。昨年に続き1日で終わった。1回目以外は例年4月初めに開かれてきたが、今回は4月に金日成主席の誕生90周年(15日)、朝鮮人民軍創建70周年(25日)、大マスゲームと芸術公演「アリラン」の開幕(29日)の3大イベントが重なるため、繰り上げて開催された模様だ。 Q 会議での議題は。 A @内閣の昨年の活動状況と今年の課題A昨年と今年の国家予算B国土計画法の採択――の3つが話し合われた(別項に@とAの報告要旨)。第一議題については、洪成南総理が報告し、昨年経済部門で収めた成果について具体的に言及した後、今年の課題について述べた。 Q 内閣の今年の課題は。 A まず、全体的には経済の技術改造と現代化をうたっている。力を入れる分野は、採掘工業、電力工業、金属工業、鉄道運輸の順。昨年はまず電力、つぎに石炭、金属、鉄道運輸の順だった。採掘部門では鉛、亜鉛などの非鉄金属、マグネシアクリンカーを増産すべきだとしている。マグネシアクリンカーを原料とするマグネサイトは、朝鮮では貴重な輸出産品となっている。 電力部門では、平壌、北倉といった火力発電連合企業所の補修を課題にあげたのが目を引く。昨年同様、漁郎川発電所など大規模発電所の建設も急ぐべきだとしている。また注目されるのは、途中損失を極力抑えるよう強調している点と、電力指揮系統のコンピューター化を実現して電力の供給、消費に対する監督と統制を強化すべきだとしている点だ。 Q 人々のくらしについては。 A 食糧と一般消費財の増産、住宅建設などが焦眉の課題だ。農業部門では、党の農業革命方針に沿って、種子革命、ジャガイモ農業革命、穀物対穀物の二毛作を引き続き推し進める。今年は平壌市、平安南道、南浦市で土地整理を行うようだ。 Q 国家予算はどうなっているのか。
A 今年の予算を見る前に、過去の予算を振り返ると、年ごとに上方修正されていることが分かる(表参照)。朝鮮の経済が徐々にではあるが回復傾向にあることを示している。 しかも、昨年の決算を見ると、赤字は3871万ウォン。1998、99年に比べて大幅に縮小した一昨年(5160万ウォン)よりも減少した。 Q 昨年の予算はどう振り分けられたのか。 A 経済部門に42.3%、無料教育、無償治療、社会保険、社会保障制度実施などの人民施策費に32.1%、国防費に14.4%があてられた。一昨年と比較すると、経済部門への投資は40.1%から2.2%あがり、その他はほぼ横ばいだ。内訳を明らかにしたのは昨年に続くものだが、これについて南のサイト「統一ニュース」は、「経済が安定的な回復局面に向かっていることを反証するもの」(3月28日発)と分析している。 Q 今年の国家予算は。 A 歳入・歳出ともに221億7379万ウォン。予算報告を行った文一峰財政相によると、昨年に比べて収入は102.5%、支出は102.3%に増えるという。しかも、国家企業による利得金が予算収入の77.6%を占めるようになることから、「社会主義経済管理で達成された収入が多くの比重を占めることになる」と自信を深めている。 予算のうち92億3068万ウォンは採掘工業、電力工業、金属工業、鉄道運輸、農業など人民経済に回されるが、これは昨年比1.4倍増の水準。また、34億9750万ウォンが大規模水力発電所の建設、平壌市などの土地整理事業など基本建設にあてられる。国防費は昨年と同じ14.4%だ。 Q 第3議題については。 A 国土計画法の採択だ。全5章41条からなる。それによると、国土計画とは、国土と資源、環境の管理を法にのっとって統一的かつ総合的に行おうというものらしい。目的は自然改造と人々にすばらしい生活環境を与えることにある。(文聖姫記者) |