日本と朝鮮、アジアの平和を考える
いまなぜ有事立法か 女性の集い

米国の無法な戦争に日本が参加


 日本が、米国の戦争拡大政策に呼応して、戦争準備政策とも言うべき有事体制化を進めていることと関連して、2日、東京・千代田区のプラザ・エフ(主婦会館)で「日本と朝鮮、アジアの平和を考える いまなぜ有事立法か?! 3.2女性のつどい」が開かれた。主催したのは、日本による朝鮮に対する植民地支配の謝罪と償いを求め、そして日朝関係の正常化のために活動を続けてきた「朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会」と、「アジアの平和と女性の役割」実行委員会。当日は在日同胞を含め、東京、青森、京都、兵庫などから約200人の日本女性たちが参加した。つどいでは、東京国際大学・前田哲男教授の講演「いまなぜ有事立法か」に次いで、「朝銀問題に対する公正捜査を求める弁護団」主任弁護士の吉峯啓晴さんの発言があったほか、参議院議員の高橋紀世子さんをはじめとする国会女性議員らの発言、南北朝鮮女性からのメッセージの紹介、参加者一致でのアピール文の採択などが行われ、つどいのまとめを前参議院議員で「朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会」の清水澄子さんがした。

講演をする前田哲男教授

 前田教授は講演の中で、次のように話した。

 「有事法制と呼ばれる法律群は、戦争を前提とし、戦争を遂行できるような国家体制、社会体制を作ることを目的としており、いま国会で、法律作りが進められている。政府が3月20日過ぎ、国会に有事法制のためのいくつかの法律を出してくるのは間違いない」
 前田教授は、有事法制は日本を戦争のできる国家に作り変えようということで、これはまさしく「憲法に対するクーデター」でもあると指摘した。

 こうした一連の動きの背景について前田教授は、何よりも歴然とした米国の影があることを強調。「米国が求め、日本が応え、そして法律が成立しようとしている。ただ、『米国が求めているから』と法律ができるのはみっともないので、『有事』を想定する」と、弁明する小泉首相の発言を批判した。前田教授は次のように語った。

会場には200人の参加者が集まった

 1990年代以降、東西の冷戦構造が崩壊し、米国は世界の唯一超大国として残った。米国は冷戦時代、ソ連と対抗するために核兵器をたくさん作ったばかりでなく、同盟国でソ連を包囲する数々の条約の鎖をネットワークのようにつなげた。冷戦の終結は、本来そのネットワークが意味を失ったということになる。

 しかしそれは形を変え、「新しい」方向へ向けられた。地域紛争である。これは世界中に散在し、また、いつ起こるかわからない、という点から米国と日本はそれを、日米安保条約と結びつけて、自衛隊をどんどん海外に派遣させた。これは80年代にはなかったことだ。

 自衛隊の海外派遣が日常化すれば、当然それを保障する国内の軍事基盤の強化が求められる。そこで登場したのが「北朝鮮の脅威」。法案実現のために「ミサイル」は世論操作に最大限利用されている。

 前田教授は、これら講演内容を通じて「有事法制は冷戦後、日米同盟の変質の中から生まれた、自衛隊の新しい運用策を支えるための法律であり、在日米軍とその活動を支えるための法律である」と指摘した。政府が出した法案には、米軍のための自衛隊の役割がひとつの柱となっているのだ。

 前田教授はこうした一連の動きの意図と背景を鋭く見抜くこと、そして朝鮮との国交正常化および朝鮮半島の平和を達成することの必要性を強調した。

南北朝鮮女性からのメッセージ

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