青商会「ウリ民族フォーラム2002inOSAKA」
子らの笑顔に未来託す
7回目を迎える青商会の「ウリ民族フォーラム2002inOSAKA」(主催=同実行委員会、委員長=高元亨・中央青商会副会長兼大阪府青商会会長)が23日、大阪市中央区の森ノ宮ピロティホールで開催された。今回のコンセプトは、「ミレ・スマイル」「ミレ・サポート」。異国の地で民族の代を守り続けてきた在日同胞の誇るべき「歴史」、統一祖国の実現と国際親善、世界平和に寄与し続けている「現在」、さらにその継承発展としての「未来」を、子どもたちの「明るい笑顔」に託してアピールするとともに、その子どもたちの笑顔を青商会世代が引き続きサポートしていくという意味が込められている。とくに今フォーラムは、在日同胞を取り巻く情勢が大きく揺れ動く中での開催となったが、各地の青商会会員と同胞ら1000余人が参加し、「『豊かな同胞社会のために』『子どもたちの輝く未来のために』という青商会の理念には変わりがないことを再確認する場」(黄元圭・中央青商会会長)となった。
フォーラムは、オープニングセレモニーと1部、2部で構成された。 オープニングでは、1996年に始まった過去6回のフォーラムの様子を、16人の青商会会員によるアカペラと映像で紹介した後、150人による合唱団が今回のフォーラムのために作った歌「ウィハヨ」(作詞=大阪府青商会、作曲=大阪朝鮮歌舞団)を披露。フォーラムの成功と青商会の発展を願った韓完相・元韓国統一部長官、林秀卿氏、平壌学生少年芸術団員らからのビデオメッセージ、祝辞が紹介された。 開会宣言を行った高委員長は、これ以上ない厳しい情勢下での開催となったが、どうすれば子どもたちが平和で安定した力強い同胞社会で暮せる日を作れるかを模索していこうと語った。 1回目のフォーラム開催地、北海道青商会初代会長の朴昌玉氏は祝辞で、日本で最も同胞が多く住む大阪でフォーラムが開催される意義はとても大きいと述べ、行く道は険しくても、同胞社会と子どもたちのために、青商会が新しい世代の主人公として笑ってがんばっていこうと強調した。 ◇ ◇
1部の全体フォーラムではまず、パネルディスカッション「ミレ・スマイル〜子どもたちの今、その笑顔を見つめて」が行われ、任宗孝(総聯支部委員長)、金真実(司会業)の両氏が司会を担当。カンヌ映画祭短編賞を受賞した韓国の映画監督で現在朝鮮学校を題材に映画を製作している趙恩聆、大阪朝高を卒業して現在カナダで留学あっ旋事務所を経営している高貞恵、中国にある朝鮮民族学校元教員で日本留学中の許淑子、大阪の日本学校に設置されている民族学級講師の朴正恵、大阪府青商会幹事で北大阪初級・アボジ会会長の金致萬の各氏が発言。民族の象徴である文字と言葉を学ぶ重要性を訴えた。 次に設けられた在日同胞法律相談室「どうなるのかな?」では、離婚や国籍問題などを題材にしたビデオをもとに、近畿地方人権協会所属の弁護士・梁英哲氏、李英好(生野青商会幹事)、趙成徹(大阪府青商会幹事)、金龍元(東淀川生活相談所所長)の各氏が発言した。 李英一・中央青商会副会長がコーディネーターを務めた緊急討論会「どうなるのか在日同胞社会! 何をするのか青商会!」では、崔無碍(統国寺住職)、邵哲珍(生野南法律生活相談所所長)、高元亨(実行委員長)の各氏が発言。朝・日共同宣言の意義、拉致問題に関する日本のマスコミの影響力などについて触れながら、こうした情勢の中でも青商会は自らの理念を追求していくべきことや、そのために何をすべきかを問題提起した。 12月20日に6度目の防衛戦を控えた洪昌守選手も舞台に登場し、「明るいニュースが少ないが、防衛を果すことで同胞社会に元気を与えたい」と抱負を語った。 ◇ ◇ 2部の文化公演では、同胞マジシャン、安聖友氏によるマジックショー、生野初級生徒の朝鮮舞踊、東大阪初級生徒の楽器演奏、吉本新喜劇の役者12人とオーディションに合格した同胞22人が出演した吉本新喜劇版「コリアンタウン物語」が披露された。笑いの渦に包まれた吉本新喜劇は、暗いニュースの多い現状をも楽観的なパワーで笑い飛ばし、望むべき未来を自らの手で引き寄せようとする力と元気を与えるものとなった。 最後は出演者全員が「ウリエ ソウォン」(われらの願い)を大阪バージョンで合唱して幕を閉じた。なおフォーラムには総聯中央の呉亨鎮副議長、金尚一団体局長、総聯大阪、兵庫、京都の各本部委員長、許宗・中央青商会直前会長らが招待された。 (関連記事) 厳しい時期、だからこそ奮闘/多くの希望を未来に |