そこが知りたいQ&A

新年、3紙共同社説は何を強調したのか

展望見えた強盛大国建設
「羅南の烽火」で経済建設


 新年の辞に相当する労働新聞、朝鮮人民軍、青年前衛3紙の共同社説が元旦に発表された。見出しは「金日成主席の誕生90周年を迎える今年を強盛大国建設の新たな飛躍の年に輝かせよう」。今年の特徴、課題について見た。

  今年の特徴は。

  金日成主席の誕生90周年と朝鮮人民軍創建70周年を迎えるにあたって、
金正日総書記の周りにいっそう団結して社会主義建設を推し進め、1998年から掲げてきた強盛大国建設構想を具現しようということだ。強盛大国とは、思想と政治、軍事、経済などすべての面で最高の力を持つ国を指す。朝鮮では前者の3つは解決しており、残るは経済だけという認識だ。

 昨年の共同社説は、前年の2000年に建国以来もっとも苦しかった「苦難の行軍」を乗り切った勢いで強盛大国建設に拍車をかけるよう強調していた。昨年、平壌近郊にオートメ化された基礎食品工場、ダチョウ牧場、鶏工場を建設し食糧問題の展望を開くなど、成果が達成されたことから、今年は強盛大国建設が最終段階に入ったことを強調したと言える。「数年間、困難を経てきた社会主義建設は新たな転換的局面を迎えた」(共同社説)わけだ。

  社説には「羅南の烽火が燃え上がった」とあるが、羅南の烽火とは。

  朝鮮労働党が与えた課題を、どんなことがあっても無条件貫徹する精神のことだ。咸鏡北道にある羅南炭鉱機械連合企業所の労働者らは、設備や電力などが不足する悪条件の中でも短期間で採掘機械設備を製作するなどの成果を上げた。昨年8月19日、ロシア訪問の帰途、同企業所に立ち寄った総書記が労働者らの達成した成果を高く評価したことから、ここが経済建設のモデルになった。

 このように、成果を収めた単位を自ら訪れ、そこをモデルに全国的に運動を広げるのは総書記の指導スタイルの特徴。近年では、98年1月に総書記が訪れた際、中小型発電所、住宅、野菜温室などを自力で建設し電力、食糧問題を解決した慈江道の人々を高く評価したことから生まれた「江界精神」、同年3月、咸鏡北道の城津製鋼連合企業所を現地指導した総書記が、50年代に「千里馬大高揚」を起こしたように社会主義建設で新たな高揚を起こすよう呼びかけた「城鋼の烽火」などがある。

 いずれも自力更生、刻苦奮闘の精神だが、「羅南の烽火」の特徴は、「苦難の行軍」が終わった後に出てきてるということ。つまり、展望が見えてきた段階でのものだ。また、近代的なシステムを生産することで技術改造の面でもモデルになっている。

  昨年9月のテロ事件と関連しては。

  ブッシュ政権の対朝鮮政策は今のところ敵視で一貫している。アフガニスタンの後はイラク、ソマリア、そして朝鮮も「ならず者国家」として攻撃の視野に入れている。そうした背景を踏まえ出てきたのが4大第一主義だといえる。わが領袖、わが思想、わが軍隊、わが制度が第一というのが内容。総書記の指導に従い、軍隊を中心に社会主義制度を固守し発展させようというわけだ。米国の圧力に屈しないためにも、内部をいっそう固めるべきだという決意の表れだ。

  強盛大国建設のネックとなっている経済問題については。

  共同社説は、「わが制度第一主義を具現するためには、経済建設を進めて人民生活を決定的に向上させねばならない」と指摘している。力を入れるのは採掘工業、電力、石炭、金属工業、鉄道輸送。昨年は電力が最初に来たが、今年は採掘工業。その意味でも羅南炭鉱機械連合企業所の役割は高くなっている。

 人民生活向上を1次的課題と位置づけているのも特徴。昨年建設された鶏工場、基礎食品工場などをフル稼働させ、食糧問題を中心に人民生活向上をはかる構想だ。
(文聖姫記者)

共同社説の骨子

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事