在日本朝鮮人中央大会
総聯に対する政治弾圧を糾弾
不当な逮捕と強制捜索即時中止求める
総聯組織に対する不当な政治弾圧を断罪、糾弾する在日朝鮮人中央大会が5日、東京・北区の東京朝鮮文化会館で開かれ、総聯中央の徐萬述議長、許宗萬責任副議長をはじめとした関東地方の総聯活動家と同胞、学生らが参加した。参加者らは、朝銀問題を口実にした総聯各機関への強制捜索と職員逮捕を続ける日本の捜査当局への強い憤りをあらわにしていた。(社会欄に関連記事)
大会報告を行った徐萬述議長は、11月28日の総聯中央元財政局長の不当逮捕、また29日の総聯中央本部と同東京都本部、西東京本部に対する日本捜査当局の強制捜索に断固抗議する意思を表明した。 そして30日、朝鮮外務省スポークスマンが抗議声明で、日本当局の暴挙を卑劣な政治弾圧、朝鮮の自主権に対する侵害であると厳しく非難し、これを絶対に許さず、傍観しないであろうと警告したのをはじめ、平壌市や朝鮮各地で抗議の市民集会が開かれ、各社会団体も抗議声明を発表していることを紹介した。 さらに中国、ロシアなど海外僑胞団体からも抗議と支援の声が寄せられており、日本の各界人士、市民からも今回の暴挙は民族差別政策の現れであり日本の右傾化の兆しだという声が上がっていると述べた。 議長は、「大々的な捜索は朝銀の信用を失墜させ、民族金融機関の再生・発展を目指す在日同胞の努力に水を差し、生活に深刻な影響を及ぼすものである」と指摘。「総聯は結成から半世紀の間、迫害と民族差別の中でも日本の法を順守して正当な活動を繰り広げてきたし、朝銀信組との取引においても日本の法に抵触することは何もない」と強調した。 さらに、「弁護士たちによれば、捜査当局が『横領の共犯』容疑としている朝銀東京の口座と元財政局長とは何の関係もないことが立証されつつある。日本の捜査当局と足並みをそろえて、あたかも客観的な事実であるかのように世論をミスリードするマスコミ報道は根拠のないものだ」と主張。「今回の逮捕と強制捜索の不法性はいずれ明らかになるだろう」と述べた。 そして、新世紀にいたっても日本当局が過去の謝罪と補償を拒み、その直接の被害者である在日同胞に抑圧と迫害を加え続けていることを絶対に許せないと指摘。日本捜査当局が、総聯と朝銀に対する政治弾圧を即時中止し、逮捕者を釈放するよう強く求めた。また総聯活動家と同胞たちに対し、団結して生活と権利を守り抜くと同時に、力を合わせて民族金融機関の再建を進めていこうと力強く呼びかけた。 続いて、「在日朝鮮人の民族権利を守る弁護団」団長の床井茂弁護士、金子哲夫衆院議員(社民)があいさつした。床井弁護士は、今回の逮捕と強制捜索はやはり不当であり、人権侵害、政治弾圧と言わざるをえないと指摘した。また金子議員は、捜査の名を借りた人権侵害、民族差別は許せないと深い憂慮を表明した。 さらに総聯東京都本部の金守埴委員長、同西東京本部の李龍秀委員長、商工連合会の金基次理事長、朝青中央の朱相礎委員長がそれぞれ発言した。 最後に、日本政府に送る抗議文を作成し抗議団を構成することが報告され、内容については総聯中央に一任することで了承された。 会場には、「日本当局は総聯に対する政治弾圧をただちに中止せよ」「在日同胞の民族的自主権に対する侵害を抗議糾弾する」などのスローガンが刻まれた横断幕やプラカードが多数掲げられていた。また参加者らもスローガンを力強く叫びながら、抗議の意思を表明していた。 また開会に先立ち、11月29日の総聯中央への強制捜索の際、捜査当局に抗議する同胞たちの様子を収めたビデオが上映された。 |