朝鮮統一支持運動第20回全国集会(埼玉)

6.15共同宣言の後押しへ

日朝交渉の再開求めアピール採択


 朝鮮統一支持運動第20回全国集会が20、21日、埼玉県浦和市のさいたま共済会館で開催され、各界で日朝友好運動を繰り広げている日本市民と同胞ら250余人が参加した。総聯中央の南昇祐副議長、総聯埼玉県本部の安正一委員長、田並胤明・衆院議員(民主党)、日森文尋・衆院議員(社民党)、清水勇・朝鮮の自主的平和統一を支持する長野県民会議議長、深田肇・前衆院議員らが来ひんとして招かれた。集会では、植民地支配に対する謝罪と償いを基本とした日朝国交正常化交渉のすみやかな再開を日本政府に強く求めた埼玉アピール(社会・生活欄に要旨)、公安調査庁による不当な外国人登録原票入手事件など在日朝鮮人弾圧への抗議と再発防止を訴えた特別決議、警視庁公安部によるチュチェ思想研究会など日朝友好運動団体への不当な強制捜索に抗議した緊急決議が採択された。21世紀初頭に開かれた今回の集会は、これまでの成果を集約し、朝鮮統一運動をよりいっそう発展させる契機となった。

 集会初日、全体集会が行われ、朝鮮の自主的平和統一支持日本委の槙枝元文議長が主催者あいさつ、埼玉県平和運動センターの金子彰事務局次長が埼玉実行委の歓迎あいさつ、南副議長が来ひんあいさつを行った。

 槙枝議長は、昨年6月15日、北南首脳によって共同宣言が発表されたことによって、敵対関係におかれていた朝鮮民族は和解と統一に向け大きな一歩を踏み出したと述べながら、日本は米国に目を向けるのではなく、アジアの一員として多くの負債をもつ朝鮮との国交正常化を早期に実現し、統一された朝鮮半島を含む東北アジアの経済協力を確立するとともに、相互安全保障体制の仕組みを築いていくべきだと語った。

 南副議長は、朝鮮の統一を願う日本の人の地道な運動があったからこそ、6.15共同宣言も発表されたとし、さらなる支持と連帯を呼びかけた。

 次に埼玉実行委代表で東日本国際大学の鎌倉孝夫学長が「朝鮮半島/平和への課題―ブッシュ政権の東アジア戦略と日米関係」と題して記念講演を行った後、統一支持日本委の清水潤事務局次長が基調報告を行い、6.15共同宣言後の朝鮮情勢、日朝関係と日本の課題、日朝友好連帯を強化発展させることについて言及した。

 2日目、3つのテーマで分科会が行われた。第1分科「統一情勢の行方」では、6.15共同宣言を履行することが統一を早められる道であり、それを後押しする運動を展開していくことの重要性が強調された。

 第2分科「友好・平和のために」では、在日同胞と朝鮮との各地での友好・連帯活動について報告された。朝鮮への支援活動と関連しては、商品として提供できなくなった米を米屋から無料でもらい送ったことや、未使用の田んぼを無料で借りて稲作し米を送ったことなどが紹介された。また植民地支配時代、朝鮮人強制連行者らによって発電所建設が行われたことから、今度は逆に発電所を朝鮮に作るための募金運動を展開している地域の報告も行われた。第3分科「民族教育の保障」では、各地で朝鮮学校を支援する会が結成されたり、千葉県の女性議員で知事に要請するなど、朝鮮学校の処遇改善を支援する運動が各地で活発に展開されていることなどが報告された。なお初日の集会後、懇談パーティーが催された。また朝鮮対外文化連絡協会から祝旗が寄せられた。

運動発展へ来春に大型訪朝団

槙枝元文・朝鮮の自主的平和統一支持日本委員会議長

 21世紀初頭に開かれた今回の全国集会は、6.15共同宣言を支持し、統一運動をよりいっそう強化発展、拡大させていく大きな契機となった。各地での運動の成果を全国規模で報告しあう集会も今年で20回目を迎えたが、発電所を朝鮮に送ろうとするなど、新たな形態の運動方法も報告され、回を増すごとに運動は多方面に広がっている。とりわけ金日成主席の誕生90周年、金正日総書記の誕生60周年に際して、大型代表団を訪朝させ、21世紀の運動を発展させていきたい。

市民レベルの友好拡大を

鎌倉孝夫・埼玉実行委代表(東日本国際大学学長)

 予想以上の参加者が集まり、分科会の内容も活発で、明るい展望を抱くことができた。今後、地元埼玉では、朝鮮問題の学習会を増やしたり、在日朝鮮人や朝鮮学校との連携を強めていきたい。大宮で毎年開かれている日朝フェスティバルは毎回好評で、市民レベルでの日朝友好、在日朝鮮人への理解を深める契機となっている。朝鮮統一問題と関連しては、朝米共同コミュニケでもうたわれているように、停戦協定を平和保障体系に代え、朝鮮戦争を終息させるべきだ。

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