みんなのチャンピオン、東京へ 凱旋 

WBCスーパーフライ級王者 洪昌守

おごらず、今後もチャレンジャーで 


母校の東京第6朝鮮初級学校で


 8月27日、大阪で行われたボクシングWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチで勝利し、新チャンピオンとなった洪昌守選手(25)が、2日から約1週間、出身地の東京に「凱旋」した。地元大田をはじめ同胞たちは熱狂的に歓迎。まさに「ホンチャンス・フィーバー」の1週間だった。同胞社会の「総聯コミュニティ」で育ち、その時代の朝鮮学校で学んだ者として「かっこいいこと」「正しいこと」を追求し続け手にした栄光は、同じ土壌で育った同胞、そして組織に大きな勇気を与えた。洪昌守はまさに「みんなのチャンピオン」、「時代のチャンピオン」となった。 (関連記事
                
歌い踊り喜び分かちあう/地元の大田支部
「一生忘れない」 とオモニ

 6日夕、母校の東京朝鮮第6初級学校グラウンドで開かれた総聯大田支部主催の祝勝会は、地元同胞ら約四百人の熱気で溢れた。

 総聯東京都本部の金守埴委員長、大田区の斉藤實助役(区長代理)があいさつした後、洪選手から母校へ送る金一封が校長に伝達された。

 祝杯のあと、試合の様子をまとめたビデオが校舎の壁面に設置された大スクリーンに映し出されると、あちこちから拍手や歓声が沸く。洪選手本人も友人らに囲まれ祝杯を上げながら共にビデオを観賞した。
 祝電紹介、同胞、来賓らによる祝賀メッセージに続き、会場からの質問コーナーやサイン会。リラックスしたムードで会は進む。

 フィナーレは、試合当日、リングで南の歌手と共に「われらの願い」を歌った姜春美さんが所属する東京朝鮮歌舞団が「われわれの誇り、民族の宝、洪昌守が一番」と歌う替え歌をはじめ、民謡メドレーなどで大いに盛り上げた。そして数年前に作ったという「大田同胞の歌」で盛り上がりは最高潮に達し、父の洪炳允さん、母の権敏子さんもステージに引っ張りあげられ支部委員長らと合唱。炳允さんはチャンゴをたたき、敏子さんはマイクを握り、そして昌守選手は肩車に乗せられ会場をぐるぐる回りながら、同胞らの踊りの輪がひろがった。

 「大田支部は永遠に不滅です!」
 ここまで支えてくれた地元同胞への感謝のこもる父、炳允さんの言葉に、大きな拍手が沸いた。

 母、敏子さんは「みんなの思いや色々な歯車がすべてびしっとかみあって今日のこの日がある。本当にこの恩は一生忘れません」と感慨深げだった。

 「洪昌守を世界チャンピオンにする会」の会長で、この日の司会を務めた李哲さんはこの数ヵ月間を振り返り、「『朝鮮人らしい試合』をやろうとしたためにテレビ放映もなく、だからこそそんな昌守を助けようと同胞たちが誠心誠意協力してくれた。その気持ちに毎日毎日感動する日々だった」と話した。

 連日のイベントで疲れているはずの洪選手だが、そんな素振りも見せず笑顔で語る。

 「(地元で大歓迎されて)素直にうれしい。みんなのおかげでここまで来れたのだから、疲れた顔は見せられない。同胞が喜んでくれることをやってきたという自負はあるし…。今回のタイトルマッチに関しては、200%の試合ができたと思っている。100%が試合内容、あとの100%がみんなの応援と演出だ。とにかく、悔いのないようにやった。チャンピオンになりちやほやされるようになった部分もあるが、おごらず、これからも練習に集中していきたい。防衛戦にも、防衛に挑戦するチャレンジャーという立場で臨みたい」(韓東賢記者)

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