春・夏・秋・冬 |
もう2ヵ月前になる。3つ上の先輩から電話がかかってきた。しわがれた声で、「いい仕事がないか。何でもいいから紹介してくれよ」と。言葉のはしばしから失業時代のど真ん中で苦戦を強いられている辛さが伝わってきた
▼何をどうアドバイスしてよいものやら、言葉に詰まった。とりあえず、大阪市に在住する同胞の就職斡旋(あっせん)会社の所在を知らせた。しかし、彼は語気を強めて「組織ではこういった問題にどう対処しているんだ」と言うのであった ▼マルクスは「労働力は商品」と言った。市場においてその商品に魅力がなければ、買う側(企業)も渋らざるを得ない。まさに、労働市場の需給関係が崩れようとしている ▼経営コンサルタントの大前研一氏は、これからのサラリーマンは「三種の神器(コンピューター、外国語、ファイナンス)を備えるべきだ」と助言する ▼今、就職対策に備えて日本の大学生の4人に1人が通常の大学の講義のほか、学外の講座、専門学校に通っているという。朝鮮大学校も例外でなく、経営学部学生の1部が各種資格取得のため専門学校に通っているとも ▼「棚からぼたもち」はあり得ない。棚の下まで自分を持っていく気構えでスキルアップを続ける同胞学生たち ▼「トンポ就職情報センター」が船出した。これから専門知識を備えた人材を発掘する機関に期待が高まっている ▼先日、電話で先輩にそのことを話すと「俺も頑張る」と言った。いまアルバイトをしながらFP(ファイナンシャル・プランナー)取得を目指して猛勉強中という。(舜) |