私とパッチワーク

尹真美

何にもかえ難い達成感


一針一針、気の遠くなる作業

 私にとってパッチワークは、生活の一部である。夕方5時から11時まで焼肉店を営んでいる私にとって針を持つ時間は限られているのですが、どんなに疲れていても1日に2回は必ず布を見て針を動かし、密かに楽しんでいる毎日です。


 そもそもパッチワークとは、18世紀初期米国で開拓移民の女性たちが家族を温かく包む生活のすべとして作り始めたのが最初ですが、その後、様々な発展をしました。日本でも20年位前から急速に広がり、今では相当なパッチワーク人口がいるようです。

 私がパッチワークを始めたきっかけも十数年前、米国から帰ってきた親戚の姉からの影響でした。

   2センチ位のハギレをつなぎ合せ、2メートル以上のベッドカバーを作り上げていく気の遠くなるような細かい作業を繰り返し、針を一針一針、丁寧にキルトしていくのですが、出来上がった時の達成感は、何にも例えることができないほど嬉しさでいっぱいになります。

 私は現在50人ほどの仲間たちのいる教室に通っています。先生を始めたくさんの方たちからいろいろな事を学び、吸収し、楽しい時間を過ごしています。
 去年は大きなホールを借り、作品展をしたのですが、「おばさんたちの文化祭」と称し、どれだけ盛り上がったことか、日常のストレスなど全部吹き飛んでしまいました。

 教室の中でも私だけコリアンなのですが、やはり、それなりのこだわりを持ちたいと思いながら、今はチョゴリの生地と日本の古布を組み合わせながら、作品作りをしているこの頃です。

 「これから先もずっと続けていける」――そんな自信をもって言える趣味に十年の時を経てめぐりあえた。それが私にとって、パッチワークです。(埼玉県浦和市在住)

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