福岡初中・幼稚園 園児増え、教室に活気
若いオモニの会「チャララ」が原動力
「園児が増えれば増えるほど子どもたちの遊びにも活気が増す。その分、子どもたちの笑顔、泣き顔も増えます」
福岡朝鮮初中級学校付属幼稚班の梁順子主任(40)は、元気ハツラツと遊び回る園児らの姿に目を細めながらにこやかに語る。 このところ同幼稚班の園児数は、12人、18人、16人と10人台だったが、今年4月の新学年度には13人の子どもが新たに入園して24人に増えた。20人を越えたのは久しぶりのこととあって、関係者らの喜びもひとしお。これまで1台しかなかった通園バスも、今春から2台に増えた。オモニ会が寄贈してくれたのだ。 同幼稚班は1963年に設置された。しかし、「ウリユチバン(幼稚班)はお金がかかるだけでなく、通園にも時間がかかる」と、近隣の日本の保育所などに入れる若い同胞も少なくなかったという。 そんななか、幼稚班のオモニ会と女性同盟支部とタイアップして、6年前に同地域に結成されたのが、入学前の子どもを持つ若いオモニたちの会「チャララ(育て)」である。 この地域では近年、東京や名古屋、広島、山口など他都県から嫁いでくるオモニたちが増えた。彼女らの多くが抱える悩みは、見知らぬ土地とあって相談しあえる同世代のオモニたちが側にいないこと。そうした機会と場を提供し、1人でも多くの子どもが幼稚班に入ってくれればと願い結成されたのが、この「チャララ」だ。 「チャララ」では結成以来、育児に関する講演会や親子ピクニック、運動会などを企画する一方で、バレーサークルも作った。サークル活動では月3回の練習などを通じて、日常的な会話も増えた。 その結果、10余年前から毎年催している「1日体験入園」(2〜3月)には、多くの「チャララ」のメンバーとその子どもたちが参加するに至った。「チャララ」の活動が、園児増加の大きな原動力になっているのだ。 東京・小平市から嫁いできた李美淳さん(33)は、「チャララは子育てに関するオモニたちの大切な情報交換の場。若いオモニらの連携、団結を深めている」と言う。崔玉美さん(37)は、「バレーの練習はストレス解消にもなっている」と楽しそう。 オモニ会とチャララ、両方の会長を兼務する柳任淑さん(34)は、「民族教育は子どもらを立派なチョソンサラム(コリアン)に育てる唯一の場。園児数を増やすことは、学校の生徒数増加にもつながっていく」と語っていた。 今後、オモニ会では川遊び(夏)、チャララではピクニック(秋)を催す予定だ。 (基) |