在米ジャーナリスト文明子氏
金正日総書記との単独会見内容


南北共同宣言/ 統一大憲章、必ず実現を 
首脳会談の意義/民族の力で統一へ第1歩 


 6月30日、朝鮮の元山で金正日総書記と単独会見した在米僑胞ジャーナリストの文明子氏が、その内容を南朝鮮新聞、大韓毎日12日付に寄稿した。1問1答を抄訳、紹介する。

米にハイクラスの代表派遣、日本と「近い国」になる用意

 ―6月の南北首脳会談の成果についてどのように評価しますか。

 わが民族の力で民族の念願である統一に向かって第1歩を踏み出したということに、最も大きな意義を付与しています。これはわが人民の切実な念願であり、私自身としては、主席の遺訓を継承するという意義があります。「シジャギ・チョルバン(始めが半分だ)」という諺があるではないですか。1日も早く統一を実現させるために努力すべき時が来たのです。

 ―金大中大統領が平壌空港に到着した時、空港まで出迎えに行きましたね。

 私が自分で決めました。これまで、統一後も米軍が引き続き駐留すべきだという発言や、統一運動家の拘束、非転向長期囚を送還しないことなどが報道され、金大中大統領に対する人民たちのイメージがよくありませんでした。金大統領が統一のために勇断を下して平壌まで来るというのに雰囲気が悪くてはいけないと、予定にない行動を取って空港に出向きました。

 ―金大統領の印象は。

 今回の首脳会談で合意された5大共同宣言は、民族の統一大憲章と言っていいほどの意義を持ちます。いっぺんにすべてはできませんが、時間がかかっても必ず実践しなければなりません。私は、金大統領がこれを1つ1つ実践していく意志と誠意を持った人だと信じています。

 ―この間の歴史を見ると、南北関係が大きな好転を見せたかと思うとまた対決の構図に戻るということが何度もありました。6.15共同宣言実現の展望についてどう予測しますか。

 今回の5大共同宣言は必ず実践に移されなくてはなりません。非転向長期囚送還の時期が合意より遅れるなど多少のつまづきが生じていますが、今後、こうしたことがあってはならないでしょう。われわれは5大共同宣言の実践のために最善を尽くすでしょう。

 ―ソウル訪問はいつ頃期待できるのでしょうか。

 5大共同宣言の実践過程を見ながら決めるでしょう。

 ―中国式開放に対する見解は。

 経済成長にプラスになりました。人民がいい暮らしをできるようにしなければならないでしょう。

 ―朝米関係の展望について。

 米国からペリーが特使として来ているので、次はわれわれがボールを投げ返す番になりました。近くハイクラスの代表を派遣するでしょう。

 ―今回の南北首脳会談で、金大中大統領が「駐韓米軍の即時撤収は現実的に難しい」と説明したことに対し、一部納得したと答えたと聞いていますが。

 この間、米軍には撤退しろと言ってきましたが、彼らがすぐに出ていくでしょうか。まず、米国自らが考えを変えなければなりません。彼らは分断に責任がある分、統一にも責任があります。過去に(米大統領の)ニクソンもカーターも米軍を撤収すると言いましたが、駐韓米軍の問題は、まず彼ら自身が、わが民族の統一を積極的に助ける方向で、決定しなければなりません。

 ―5月に予定されていた第10回朝・日国交正常化会談が延期された後、いまだ日程が発表されていません。朝・日関係については。

 よく日本を「近くて遠い国」と言いますが、われわれは日本と「近くて近い国」になる用意ができています。隣同士があたかも地球の両極に住んでいるかのように過ごすより、近い友人として過ごす方がいいではないですか。われわれは日本との国交正常化を求めますが、これは日本の決定にかかっています。日本人はまず、ら致だ何だのという話をやめ、過去の清算などの根本問題を解決する誠意と真実をもって努力すべきです。

 ―94年の大洪水以降、経済問題が深刻でしたが。

 この5年間の困難な時期、2000万の運命について本当に深く悩みました。この間、われわれに食糧を支援してくれた韓国、米国、日本など世界各国の人々の人道主義に深く感謝します。

 ―指導者としてもっとも大切なことは。

 人民の支持を得られない指導者はありえないということです。金日成主席が言っていたように、人民の上に君臨してはいけません。彼らと共に働かなくてはなりません。

 ―首脳会談後、南で「金正日ショック」、「金正日シンドローム」が起こっている事実をご存じですか。

 これまでわい曲された報道があまりに多くとても印象が悪かったのですが、本人が画面に登場したことで、頭に角の生えた人間ではないということが分かったようです。

TOP記事

 

会談の関連記事