「首脳同士の出会い」に寄せられた祝意

共に流した熱い涙


 南北首脳の握手。何度見ても涙するシーンである。老若男女を問わず、胸を熱くしなかった人はいないだろう。同時代に居合わせた幸せをしみじみ思う。

 喜んだのは、わが朝鮮民族だけではない。多くの日本の人々もまた、共に感激の涙を流してくれたのである。

 「おめでとうございます。あまりの喜びで涙を押さえきれません。今、人参酒で乾杯しています」と秋田県の農民・高橋良蔵さんから毛筆の手紙が届いた。

 共和国の未曽有の自然災害に心を痛め、この数年毎年、全国の農民たちに呼びかけて共和国に支援米を送ってきた人だ。「困った時は、お互い様。日本政府が本格的な食糧支援をすべきだ」と首相官邸にも度々要請を繰り返してきた。朴とつな語り口、東北人らしい粘り腰で、地道に仲間の輪を広げている。

 山本玉樹先生。北海道大学で物理学を教える傍ら、在日朝鮮人の人権を守るために、長年、身をていして闘ってきた。民族の和解と統一めざす共同宣言が結ばれた日、電話を頂いた。「本当に良かった。良かった…」。後は言葉にならない。今年1月、久し振りに札幌で再会した。先生の髪にはいつしか白いものが目立つようになっており、歳月の流れを感じたものだった。

 70年代の初めに訪朝し、金日成主席と会見したことがある。今度、金正日総書記の姿を見て、「豪放磊落だった主席とうり二つ」と心から喜ぶ。先生は金大中ら致事件が起きた時も現状回復を求めて、闘い続けた。

 歴史の歯車を回すために、力強く歩んできたお2人。日本で朝鮮問題に取り組むハンデは決して小さくない。様々な犠牲を払ったであろうことは想像に難くない。感謝を捧げたい。 (粉)

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