春・夏・秋・冬

 最近、亡くなった日本の元首相が、「日本はアメリカの植民地だから……」と嘆いていたことを、ある人物から聞いた。日本が金融ビッグバンで揺れていた頃の話だ

▼意外だった。日本の保守的政治家は、日米同盟の維持を最重要案件として考えているとばかり思っていたからだ。でも冷静に考えると、当然のことだった

▼金融市場の開放だけに限らず、現在もNTTの接続料を下げろと、無理難題を押しつけている。一方では自由競争を主張して、もう一方では負けそうになると、スーパーマンならぬスーパー301条を持ち出す

▼霞ヶ関の分析では、盟友の金丸信・自民党元副総裁が、朝・日間に風穴ならぬ国交正常化の架け橋を架けたにもかかわらずとん挫したのは、「ワシントンの了解をとらなかった」ため

▼米CIAがその気になれば、「いかなる国の大統領でも失脚させることができる」と、何かの本に書いていた。73年のチリの軍事クーデターは、そのもっとも成功した例と言われている。暗殺、スキャンダル、クーデターと世界の警察官 は手段を選ばない

▼金丸氏は「ワシントンの意向に反した」理由で獄につながれたとの指摘もある。田中角栄元首相は、「日朝正常化を視野に入れていた」が、米国発のロッキード事件で失脚した。元首相は、超大国の力を熟知していて、なおかつ日朝正常化への道を切り開いた

▼根回しが上手だった。日本独立のためですか? 。10数年間、インタビューを申し込んでいたが、ついに実現しなかった。故人の冥福を祈る。 (元) 

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