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創氏改名とは?


日本式の名前を強要/朝鮮の家族制度を否定

  創氏改名とは何ですか?

  植民地朝鮮で同化政策、皇民化政策の一環として実施された、朝鮮人の家族制度と名前を日本人化する政策のことです。1940年2月11日、朝鮮総督の命令である制令19号「朝鮮民事令中改正の件」と「制令20号」によって始まりました。

                                                                                   日本名で記された徴用令書

 元来、朝鮮の親族集団は宗と呼ばれる祖先祭祀を中心とした男系血統集団であり、それを識別する称号は、男性系統を表示する姓と一族の始祖の発祥名を示す本=本貫です。そのため朝鮮では名前を慣習的に「姓名」としてきました。ここに日本の家(同一戸籍の家族集団)制度を持ち込んで、その称号である氏を新たに創設(=創氏)し、公用の名前を従来の姓名から日本式の氏名に変更(=改名)させたのが創氏改名です。

 まず、創氏の方法ですが、戸主が6ヵ月以内に新しい氏を設定して役場に届け出る設定創氏と、期限内に届け出なかった者に対し自動的に戸主の姓を持ってその家の氏とする法定創氏とがありました。つまり届出有無に関わらず、法律的にすべての者が創氏を強要されたのです。

 つぎに、氏や名を日本式にする改氏や改名は法律上の建前では任意でしたが、手口巧みに強制されました。氏制度のもとでは、家族はすべて戸主の氏を名乗ることになるので、他姓氏禁止となると姓不変の鉄則を持つ朝鮮の家族制度に馴染みません。

 この問題を回避するためには、他姓を名乗る方法がありますが、法令で朝鮮の他姓を氏とするのを禁じられていたため、おのずと日本風の氏を設定せざるを得なくなるわけです。

 また、日本式の氏や名を拒むものには、渡航許可を出さない、労務徴用の対象とするなどの手段が用いられ、氏名の日本人化が強制的に敢行されていきます。

 その結果、日本式の氏にした家は全戸数の8割、名を日本式にした者は230万人で総人口の9.6%に達したと言われています。
(金大遠、研究家)

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