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25日、朝鮮戦争ぼっ発50周年を迎えた。英国の軍事史家、マックス・ヘイスティングスは、米国はこの戦争で「栄光を奪われた犠牲の大きい膠着状態(ステイルメイト)の苦い味を味わわされた」と書いた(「冷戦後」船橋洋一著)
▼3年後に停戦協定が結ばれたが、朝鮮の分断は決定的となり、それ以後、南北はそれぞれつねに背中合わせで対峙してきた ▼しかし、50周年を目の前に控えた13日からの3日間、歴史は大きく変わった。南北最高位級会談が開かれ、戦争で生じた離散家族の再会問題などを含んだ5項目の共同宣言が発表された。まさに、「分断悲劇史に終止符を打つ大事件」(高麗大学・姜萬吉名誉教授、大韓毎日17日号)であった ▼戦争前後からこれまで、朝鮮はつねに大国のパワーゲームのはざまにたたされてきた。しかし、過去と 今 とでは局面の本質は根本的に変化した。重視しなければならないのは、共同宣言にもあるように、南北自らが主導権をとり、国の統一問題を「自主的に解決する」ことを意思表示したことである ▼米国は南北統一と和解などの問題は、当事者が解決する問題だとして、自ら朝鮮問題に介入、干渉してきたことを巧妙に隠ぺいしようとしてきた。その米国が主張し要求してきた当事者の会談は実現された。その結果、当事者うんぬんの口実をなくした米国は、朝米間の懸案問題に誠実に臨まざるを得ない立場にたたされてしまった。急ぎ決まった米国務長官の中国、南朝鮮、日本訪問。さぞかし苦い味を味わっているのではないか。 (舜) |