同胞の店
キムチ・朝鮮食品「オンマキムチ」(新潟市)
辛くてコクのある絶品、秘訣ヤンニョムに
店長の李君子さん(67)がキムチを漬けはじめたのは、わずか12歳の時。実に半世紀以上もキムチを漬けてきた。幼くして母親を失った李さんは、弟や妹の面倒を見るかたわら、土建の請負工を営む実家の手伝いにと、1升瓶が40本ほど入る樽にキムチを漬け、現場の労働者に配っていたという。 「その頃は今みたいにぜい沢な材料なんてないですよ。塩とにんにく、コチュだけのシンプルなものでした」 数年前まで勤めていた新潟朝鮮初中級学校のまかないをしていた頃から、キムチには定評があった。「アボジ、オモニと離れて暮らす子供たちに寂しい思いをさせては」と、手作りのキムチを欠かさなかったのだ。 辛いがコクのあるキムチの秘訣は、煮干しからとっただしや、いかやあみの塩辛を入れたヤンニョムにあるらしいが、「企業秘密よ」と、あまり教えてもらえなかった。 最近では朝鮮料理の普及で、働く日本人女性の買い手も増えたとか。彼女たちには食べやすく切ったパックものが人気だ。 開業から7年。口コミで客足が増えたのがささやかな喜びだ。 李さんの1日は早朝5時半の白菜の水きりから始まる。毎日75キログラムの白菜を漬けるその手は、ゴツゴツとして力強い。 (慧) お薦めメニュー (1)カクテギ、キムチ(白菜の甘口、辛口、きゅうり)200グラム500円、400グラム1000円(2)めんたいのあえもの、みそ唐辛子200グラム1000円 ※代引きで宅配も受け付けている。 営業時間 午前10時半〜午後7時。年中無休。新潟市上木戸2丁目3―5(TEL025・275・0588)
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