書  評

 「北朝鮮バッシング」 北川広和著


日米「韓」の謀略、思惑を解きほぐした入門書/奏哲美 

 著者は、朝鮮半島の事情に詳しく理論家であると共に、日朝友好を積極的に推進している市民活動家である。一般的に、朝鮮については、情報が少ないため疑惑や事件が報道されていても真相がつかめない事が多い。

 朝鮮に対する疑惑や事件として、「地下核疑惑」、「テポドンミサイル発射事件」などが報道されてきた。

 「北朝鮮脅威」のキャンペーンの背景を月刊「日韓分析」や日本のマスコミ報道を手際良く料理し、縦横に駆使して真相を浮き彫りにし、事の本質を鋭くえぐっているのが本書である。

 文章が平易で、次々と展開する疑惑や事件による「北朝鮮バッシング」の真相に思わず引きずり込まれ一気に読むことができた。

 読後、今までマスコミの報道に一抹の疑念を感じながらも真相の究明ができなかったが、本書により霧が一挙に晴れて、視界ゼロから先の展望が見え、日朝友好の運動により自信を持つことができた。

 本書は、朝鮮半島を巡る日米「韓」の謀略や思惑を的確に知るうえで格好の入門書である。

 南北首脳会談が12日に平壌で開かれることが発表され、その準備のための接触が進んでいるが成功を祈りたい。

 日朝国交正常化に向けた話し合いも7年ぶりに再開され、ジグザグの感があるが前進しようとしている。

 東北アジアの平和と安定を確立し、南北の平和統一と日朝国交回復を実現する運動をいっそう発展させるうえで時期を得た本書の発刊であり、ぜひ一読を推奨したい。
(日朝友好促進埼玉県議会議員連盟会長)【「」は、編集部】

TOP記事 文  化 情  報
みんなの広場
生活・権利