春・夏・秋・冬

 25日、各地で最高25度以上の夏日となった。そろそろ夏バテが気になる人もいよう。夏バテは汗を一杯かき、水分を取り過ぎてしまう、いわば塩切れ症状。一方で「健康のために塩分の取り過ぎに注意しよう」と言われる。どうすれば良いのか。まず塩についてよく知ることだ

▼ある本によると、現在食用として一般に出回っている日本の塩は、塩化ナトリウム99%の極めて純度の高い化学塩という。つまり工業的に作られたもので、かつて学校で習った海水を煮詰めたり、乾燥させて作った自然塩ではないという

▼というのは1971年12月末、国の方針で塩田による自然塩は廃止され、国産塩はすべて「イオン交換樹脂膜電気透析法」で工業生産されることになったからだ。わずかに「特殊用塩」という形で「天塩」や「伯方の塩」などが残ったが、これらは外国から輸入した原塩をニガリなどを加えて再生したものという

▼塩は今、健康の天敵のように言われているが、元来、塩は生命維持に最も必要不可欠な有効無機物だった。「海は生命の母」といわれるように、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時は、羊水という塩水の中で育つ。リンゲル氏液(生理食塩水)は一時的に血液の代用になる

▼海水には薬としての効果もある。アトピー性皮膚炎の子供を海に連れて行き、湿疹を自然治癒させる話もある。海のミネラルを一杯に含んだ自然塩、そして今、一般的に出回っている化学塩、区別しなければならない。夏バテにはまずは塩分を補給すること。ただし化学塩でなく自然塩で。 (喜)  

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