春・夏・秋・冬 |
新潟少女監禁事件初公判のニュースを見ていて、頭の奥の方からジワーッと怒りがわいてきた。佐藤被告に対してだけではない
▼冒頭陳述によると佐藤被告は、少女にナイフを突きつけて車のトランクに押し込め、自分の部屋に監禁した後は、逃げないように暴行を加え、さらには少女を栄養不足にさせれば脱出できないと考えて、1日に1個の弁当しか与えなかった。なんともおぞましい話である ▼が、これと同じような事件が半世紀以上も前に起きている。しかも犯人は精神異常者でも変質者でもない、れっきとした「国家」である ▼南朝鮮に住む元「従軍慰安婦」の金允心さんは、友だちとゴム跳びをしている最中に日本軍人に連れ去られた。14歳だった。2畳ほどの広さに仕切られた部屋に閉じこめられて、日本軍人に情け容赦なく犯され、暴行された。食事は塩水をぬったおにぎりだけだった ▼ニュースで、佐藤被告に反省した様子はなかったとレポーターが伝えていた。そして、キャスターが被害者の心情を代弁するように怒りを表していた。「ちょっと待て」頭の奥で声がしたのはこの時だった ▼被害者の少女は「男に日の光を浴びさせないで下さい」「男が町に出ないようにして下さい」と訴えた。まったく同感だ。でも、60年前に数10万人の朝鮮女性をら致し、数100万人の朝鮮人を強制連行した日本の犯罪はどうなるんだ、と ▼かつて朝鮮民族に対して犯した罪を日本は、いまだに清算していない。のうのうとお天道さまの下で、再びアジアへの侵略を夢見ている。戦争犯罪に時効はない。 (元) |