取材ノート

「隣に外国人」当たり前の光景


 石原・東京都知事の「三国人」発言。多くの人が、国際感覚の無さに怒りを覚え、警鐘を鳴らした。経済同友会の小林陽太郎代表幹事も、都知事の発言を批判した1人だ。

 経済同友会は富士ゼロックス、本田技研、三菱電気、住友銀行など900社以上に会員を持つ社団法人だ。

 同会では以前、日本で優秀な人材を育成するために、何が必要かについて対象の企業にアンケートを実施した。その結果、今後重要となる能力について、「異文化を受容する力」と「語学力」が圧倒的に増えていた。

 企業の現場では、国際感覚がなければ、企業の躍進にブレーキがかかるとの見方を固めつつある。

 また、先月取材した「女性シンポ」では、少子・高齢化対策として、海外移民の問題などを真剣に討議すべきだという意見も出ており、国連に提出されている、外国人労働者の受入れ数をみても、少子・高齢化社会を今後、どのように支えていくのか深刻である。

 石原知事は、その後の記者会見で外国人犯罪の現状を「歌舞伎町や六本木、池袋は12時を過ぎるとヤクザでも歩けない」といった。だが、実際は違う。

 歌舞伎町のある新宿区は、区民の2人に1人は外国籍で、隣に外国人がいるのは当たり前の光景だという。東京23区では最も外国人が多く、全国的にも1、2位だという。

 その新宿で「区民と外国人が日頃から普通に暮らす、そうした自治体として機能することが大事だ」とは、先月27日、開設された「新宿同胞生活相談綜合センター」で、来賓として訪れた区議のあいさつだ。

 「外国人」を「三国人」、都民を煽る「騒擾事件」、はては自衛隊の治安出動、上げても余りある。まったく時代錯誤だ。 (金美嶺記者)

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