日経流通調査を読む
外食産業、2年連続マイナス
「低価格」に不況追い風/強いマック、牛丼勢 焼肉/上位3社、なお好調 日経流通新聞の第26回飲食業調査(1999年度)の結果が、4月20日付の同紙に発表された。98年に4年振りマイナス成長となったこの業界だが、売上高ランキングの上位各社には、目の覚めるような躍進を続ける企業も少なくない。気になる焼肉店の動向など、調査結果を見る。 半額奏効 外食産業総合調査研究センターの調べによると、昨年の市場規模は28兆1496億円で、前年比1.2%減。外食産業の2年連続マイナスはこれが初めてだ。個人の支出減とともに、法人の交際費抑制が影響したとされる。 だが、こうした環境のもとでも、強いところは相変わらず強い。 今回の売上高ランキングでも、1位は相変わらず日本マクドナルドで、18年連続の首位となった。ハンバーガー半額などの積極戦略で、2位のすかいらーくの2倍強の売上高を記録した(表1)。 売上高の前年度比伸び率では、首都圏で人気の居酒屋「和民」などを展開するワタミフードサービスが40.4%で1位だった。 同社は店舗数の伸びが31.1%で、不況の最中に1店舗当たりの売上も着実に伸ばしているのが分かる。 ほかにこのところ好調な業種を挙げるとすれば、牛丼チェーンがある(表2)。低価格戦略で押す上場・公開4社はこのところ、消費不況を追い風にしてそろって過去最高益を更新している。 中でも躍進著しいのが、大阪に本社を置くなか卯だ。同社は売上高伸び率でも3位にランクした。 表3に見る通り、安楽亭(本社・埼玉)、焼肉屋さかい(岐阜)、叙々苑(東京)の上位3社は相変わらず好調で、前回より順位を上げた。 それぞれの特徴を見ると、まず安楽亭は他部門のランキングでも上位に入った。全業態中の中途採用者数で1位、定期採用者数で12位、設備投資額で5位、経常利益額で19位と、「規模の利益」を追求する拡大戦略がはっきりと見てとれる。また、イタリア料理店経営や食材販売も手掛ける同社は、グループ売上高でも51位に入った。 次に焼肉屋さかいは、売上高伸び率で9位(26.5)に入った。店舗数も33.3%と大きく伸びたことが主因と思われるが、経常利益率(8%)も25位にランク。98年度より0.4ポイント向上している。 高級チェーンの叙々苑は、店舗数が増えていないにも関わらず、2ケタ近い伸びを示した。閉めた店舗がある一方で、歌舞伎町の大型店舗などを出店したことが奏効したのかもしれない。同社は昨年、有楽町マリオン内にも店舗をオープンして都内の主な高級立地には展開を終えており、今後の動向が注目される。 一方、売上高ではただ1社ランクを下げたファミリーフーズ大道門だが、同社は店舗数を15.8%も減らしながら、売上高は0.7%の小幅減にとどめており、それなりの健闘を見せている。 ◇ ◇ 今回の調査での、上位100社の売上高伸び率は2.3%。昨年より1.3%低く、拡大ペースは3年連続で鈍った。不況や消費の頭打ちは上位企業にも影響を及ぼしており、外食産業は今後もいっそうの構 |