春・夏・秋・冬 |
6月25日の投票日を設定した衆議院選挙が走り出している。その影響で日本国会は、上程された法案の何を優先させるのかで「与党と野党の綱引きがし烈」だとか
▼その中で、九州・沖縄サミットを契機に「国家間の対立や紛争を平和的な手段によって解決し、戦争を絶対に引き起こさないよう誓い合う」ことを世界に向け訴えようと、与党提案による「戦争終結宣言」の国会決議が日程に上っている ▼ところがこの決議の自民党試案には朝鮮半島、中国などを侵略し、第2次世界大戦を引き起こした日本の過去に対する認識の表明はまったくない。ただ「唯一の被爆体験を持つ」ことが強調されているに過ぎない ▼日本は朝鮮侵略の過去をいまだに清算していない。その清算と国交正常化のための朝・日会談がつい先日、再開されたことは記憶に新しい。過去の清算なきままにその一方で97年、米国との間で「朝鮮半島を念頭に置いた」新ガイドラインを作った。これまでの米軍の脇役ではなく、日本軍が主役になることを世界に宣言したものである ▼試案だから、今後の野党との論議の中で織り込まれていくのかもしれない。それにしても、この程度の内容なら何も大仰に「戦争終結宣言」とうたう必要もない、憲法9条を徹底させれば良いのではないか、という声が上がるのも当然だろう ▼では、世界トップ水準にある自衛隊の存在はどうするのか、「朝鮮半島出兵計画」だと強く警戒されている新ガイドラインとの整合性は?。自衛のための軍事力強化は不問に付し、他国には自制を求める、これでは話にならない。 (彦) |