済州島4・3事件について
元「済民日報」記者が講演

内外の資料収集訴える


 「済州島4・3事件を考える会・東京」の主催で15日、4・3事件52周年記念講演会が都内で行われた。

 昨年12月16日、南朝鮮の「国会」で事件の真相究明と犠牲者とその遺族たちの名誉回復を目的とした「済州4・3特別法」が制定された。講演会は、朝鮮戦争勃発50周年を迎える現在の状況と照らして4・3事件の歴史的意味を考え、「4・3特別法」制定以後の課題を確認しあう場となった。

 講演会では、米軍政下の南朝鮮単独選挙に反対して1948年4月3日に済州島民が武装蜂起し、多数の住民が虐殺された4・3事件の真相を究明する長期連載を行った地元の新聞「済民日報」取材チームの元班長・梁祚勲さんが講演した。

 現在、「済州4・3特別法争取のための連帯会議」の共同代表である梁さんは講演で、「特別法」の経緯と意義、今後の課題などについて話した。

 梁さんは、「特別法」の制定は「過去、韓国の政権下でわい曲されてきた4・3の歴史が回復されつつあることを意味するし、その歴史の中で、犠牲となった被害者がいる事実を政府が認定したものといえる」と指摘した。

 そして、「法制定は4・3の論議を地下から地上に突き上げたものだ」としたうえで、「今後は事件の真相を究明するために『特別法』で明記された各委員会に民間人が参加して、それを島民の意向に沿うように運営しながら当時の被害実態を調査し、内外の資料収集が必要」との見解を示し、「在日同胞の中にいる事件の被害者たちも積極的に参与してほしい」と訴えた。

 講演会を企画した「考える会」は同日、「特別法」制定と関連して記者会見を行った。

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