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「清水繊維」
(埼玉・浦和市、古着回収・卸業)
衣類リサイクル、フリマや海外へ 父を継ぎ、兄弟経営へ/質にこだわり仕分け徹底 古着を目にする機会は多い。専門店は安くて良質の服を求める若者でにぎわい、フリーマーケットも定着しつつある。こうした所に古着を卸しているのが、韓周治さん(42)、韓正治さん(40)兄弟が経営する、埼玉県浦和市の「有限会社清水繊維」である。 同社の本業は「ウエス原料卸業」。ウエスとは工場の機械作業などで出る油を拭き取る布のこと。このウエスとして使われる綿の切れ端を回収して国内や海外に卸すのが、業務の9割を占める。 周治さんと正治さんの父親は、この仕事を30年以上前から営んでいた。その父親が亡くなった際、当時18歳だった周治さんが店を継ぎ、正治さんも数年後、勤めていた朝銀を退社して店に入った。4年前には、それまでの個人店舗をやめ、会社を正式に興した。現在は周治さんが代表、正治さんが専務を務める。 古着回収のサイクルはこうだ。まず、定期的に古着を回収している近隣の川口市や地元のチリ紙交換の問屋から、週に2、3回、古着を引き取る。1回に4トンほど集まるという。集まった古着はウエス用の綿類と衣類に仕分けされ、衣類はさらに種類別や季節物別に、100キロごとにくくられる。 こうして出来た「コンテナ」は、東南アジアを中心に各国へ輸出されたり、国内の古着業者に卸される。海外では、絶対量が不足している下着やブラウスといった女性物の需要が高いそうだ。 仕分けのポイントは「出してすぐ着れるかどうか」。ボタンのない衣類などは即座に弾かれる。すべて従業員の手作業だ。 「数10トンの衣類を丁寧に見極めていくのは簡単な作業ではない。ただ100キロ詰めれば良いわけではないのです」と、正治さんは「質」に徹底したこだわりを見せる。ここで言う「質」とは、生地の種類や混紡率ではなく、売り物としての商品価値のこと。不良品1つ紛れ込むかどうかが会社の信用につながるだけに、仕分けには細心の注意を払っているという。 それにしても、数100個の「コンテナ」を前に、従業員は手を休める暇もない忙しさ。「このような重労働にやりがいは感じますか」と、失礼ながら率直に尋ねると、「頑張った分、見返りのある商売だし、父が守ってきた仕事を発展させたい思いもある。きついけど、やりがいは感じます」と正治さんは返した。(柳成根記者) ◇ ◇ 埼玉県浦和市田島5―7―16 TEL
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