BOOK−新刊から(当選者の発表)
★「日東壮遊歌」−ハングルでつづる朝鮮通信使の記録 (金仁謙、高島淑翻訳注)
朝鮮からの通信使の来日は、江戸時代に計12回に及んだ。第11次使節の参事官の書記として、1763年8月から8ヵ月に及ぶ日本滞在期間に、金仁謙が日々の出来事をカサ(歌詞)形態で書き記した紀行文。57歳の知識人が、18世紀の朝鮮・日本の関係をどう見ていたのかを、率直な筆致で書き記した同書は朝鮮通信使を学び、研究するうえで貴重な史料である。(3100円+税、平凡社東洋文庫) ★「海南の空へ」(キム・ユンシム著、根本理恵訳) 遊んでいる時に、日本人にトラックに載せられて、ハルビンの慰安所に送られる。この時、14歳。何度か脱出を試み、やっと祖国に帰り、半強制的に結婚させられ ★「ジャーナリズムと歴史認識」(梶村太一朗、金子マーティン、本多勝一、新美隆、石田勇治 ホロコースト否定論者と歴史修正主義者、いわゆる「記憶の暗殺者」のウソやデマに敢然とノーを突きつけた気鋭の論者たちによる労作である。 論者たちは、日本とドイツの修正主義者に共通しているのは、「彼らの記憶には自民族以外の犠牲者の姿が欠落しているのです。あたかも記憶を消してしまった子供のようです」(梶村氏)と痛烈に批判する。 当選者の発表 抽選の結果、昔話「あおがえる」の当選者は次のとおり(敬称略)。 神奈川・横浜市の金得子、埼玉・川口市の李亜紀、東大阪市の宋英子、金孝舜、兵庫・宝塚市の李絵星。 |