春・夏・秋・冬

 南北最高位級会談の開催という超ビッグニュースに、血が沸き肉が踊った。筆者ならずとも、南北の和解と祖国の統一を願う朝鮮人ならば、同じ思いのはずだ。南朝鮮の世論調査でも市民の90.2%が支持を表明していることに、その衝撃度が計れる

▼50年の朝鮮戦争、60年の4.19人民蜂起、72年の7.4南北共同声明発表、79年の朴正煕射殺と80年の「ソウルの春」、91年の南北合意書の採択、2000年の南北最高位級会談開催。朝鮮半島情勢は、10年を節目に大きな変化を遂げてきた

▼今回の南北最高位級会談が、民族の和解と団結、交流と協力、平和と統一を促進するうえで歴史的な出来事になることは、衆目の一致するところだが、こんなに素晴らしいニュースを伝えながら、どうして「太陽政策の成果」だとか、北が「破綻した経済の建て直しのため」に応じたとか、知ったかぶりして解説するのか、腹が立つ

▼朝鮮は昨年2月、南北当局会談の先行実践事項として(1)外勢との共助および合同演習の中止(2)「国家保安法」の廃止(3)統一愛国団体と人士の活動の自由保障を求めていた。最高位級会談開催の合意書では、北と南が7.4声明の祖国統一3大原則を再確認したと明確にうたっている

▼3大原則の自主は、外勢と結託しないことだし、民族大団結は、相手を「敵」ではなく団結の対象であることを意味する

▼イタリアとの国交樹立、朝米関係の進展、朝・日会談の再開、そして南北最高位級会談。一方が得をすればもう一方が損をするというゼロサムゲームの視点では、真実を見誤りかねない。(元)

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