山で元気!
中山連山縦走
(478.2メートル、兵庫県)
名水、眺望抜群、花見
私はかつて立山黒部アルペンルートを旅行したとき、北アルプスの雄大さに感動、83年7月から毎年、日本アルプス夏山登山を1人で楽しんできた。85年の白峰三山縦走から南アルプスにとりつかれ、97年の富士登山で日本の3000峰21座をすべて登った。 98年2月に結成された阪神同胞登山会に、崔種楽会長から誘いを受け参加。同時に事務局長として、その後は同胞との山登りを楽しんでいる。 太陽節記念で10回目の定例登山。予定は朝鮮新報に紹介され、記事を見た宝塚の同胞4人も飛び入り参加。快晴、桜満開で花見会が各地であり、結婚式も多く登山会からの参加は5人と少なく、計9人での登山となった。歩道を歩き中山寺奥の院に1時間で到着。名水「大非水」でのどを潤した。 奥の院からなだらかな登りを進み中山最高峰に着く。ここで小休止し引き続き縦走路を行く。アップダウンの激しい道だ。眼下には宝塚、伊丹、尼崎、池田などの展望が広がる。高圧電線の鉄塔から満願寺への道は岩の多い下りで、ロープを頼りに下る険しいコースだがかえってスリルがあり楽しい。 満願寺は平地とは違い、桜が三分咲き。少し物足りなさはあったが、花見昼食。まずビールで「チュッペ!(乾杯)」。山歩き後のビールは最高との声が上がる。各自持参の「朝鮮のパンチャン(おかず)」のうんちくを掛け合う楽しい時間だ。 1時間の食事と昼寝の後、下山。最明寺川沿いのしっとりした道を下る。 途中の最明寺滝は周囲にあった6ヵ所の朝鮮寺の修行場で、同胞の名前が書かれた地蔵や石柱などがたくさんある。少し下ると朝鮮寺宝教寺がある。今は亡き創始者の菩薩李小善さんの長男で寺守をしている崔聖旭さんに寺の由来を聞いた。また山の急斜面に作られた七星堂にも上がり内部を見学。同胞たちの異国での苦難や先祖を思う気持ちが伝わってくるようだった。 今回の山行は名水、眺望抜群、花見、在日同胞の歴史など実に内容豊かなものとなった。近い内に北の白頭山、金剛山や南の漢拏山や雪岳山への山行実現をめざそうとのアピールに参加者一同大賛成だった。(阪神同胞登山会事務局長徐根植) |