ヒットの真相
ハイブリットカー、「環境配慮」で注目集める
ガソリンと電気併用、排ガス少ない低公害車
ガソリンエンジンと電気モーターを併用することで、地球温暖化の原因の1つである一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えた低公害車「ハイブリッドカー」が、モーターファンの間で話題になっている。他社に先駆けて市販を実現させたトヨタの「プリウス」(1997年発売、215万円)を追って、ホンダが「インサイト」(99年発売、210万円)、日産が「ティーノハイブリッド」(4月予約開始、315万円)を投入。他社も市場の動向に注目している。
ハイブリッドカーは、ガソリンで発電機を回してバッテリーを充電し、その電気でモーターを動かす「半電気自動車」。ハイブリッドは英語で「混成、混合」という意味である。 石油燃料でエンジンを動かす従来の駆動システムだと、燃焼の際に大量の排ガスが出る。業界では、環境汚染を防ぐには排ガス対策が不可欠として、石油燃料に頼らない駆動システムの研究が続けられてきた。 代表的な低公害車としては、100%バッテリー駆動の「電気自動車」や、水素と酸素の化学反応で電気を起こす「燃料電池自動車」があるが、膨大な開発コストから市販に耐え得る価格が付けられず、一般ユーザーには手が届かなかった。 そこで、コスト削減で市販価格を下げる目的で編み出されたのがハイブリッドエンジン。バッテリーを小型・軽量化できるうえ、ガソリンの使用量が少ないので排ガス量も減るという仕組みだ。 ヒットの要因としては、リサイクル関連法の制定や環境ビジネスの台頭など、環境問題への取り組みが近年、盛んになり、ユーザーの関心も高まっていることが挙げられる。環境汚染に直結する排ガスを抑えた低公害車の需要が高まり、一般車より高価とはいえ、比較的、求めやすい価格設定のハイブリッドカーに人気が集中した。 先行3社以外からも新車が発表される見通しで、数が出揃って市場が充実することで価格がもうワンランク下がると見られている。 |