朝・日国交正常化、第9回会談
朝鮮側団長の記者会見(要旨)
前号既報のように、朝・日国交正常化第9回本会談に出席した鄭泰和朝鮮側団長は5日、同日の会談と関連し平壌の人民文化宮殿で記者会見した。前回までの会談の総括と教訓、本会談での原則的立場に言及した鄭団長の発言要旨は次の通り。(朝鮮通信) 会談決裂の第1の主因は自主的立場、姿勢の欠如 その主因は第1に、日本側が自主的な立場と姿勢で会談に臨まなかったことにあり、第2に、会談が本来の目的と性格、加害者と被害者という当事者の地位に即して行われなかったことにある。第3に、加害者である日本側が、被害者が受け入れられない一方的な法的論理と不当な主張を前面に掲げて、論争を意図的に激化させたことにあり、第4に、問題の討議において基本問題と枝葉の問題をごちゃまぜにして、問題の討議を深めることができず、会談の使命にそぐわない主張をして物別れに終わるというやりかたで会談を運営したことにある。 かつての会談の過程を踏襲すれば、再び不信と対決、衝突のみを生み、不名誉な歴史を繰り返す結果だけをもたらす。 歴史繰り返さない意志、納得し実効性ある補償を 本会談で朝鮮側は、過去の清算問題を優先的に討議、解決することを主張した。過去の清算には、謝罪と人的ならびに物質的損害に対する補償、文化財の返還ならびに補償、そして在日朝鮮人の法的地位改善の4事項が含まれるべきである。 謝罪問題に関しては、日本側がわが国に対するかつての軍事的侵略と占領期間、朝鮮人民におよぼした不幸と苦痛、災難と被害に対し心から反省し、そのような歴史を2度と繰り返さないという意志がこめられた政治的な謝罪をすべきであると主張した。 謝罪は、徹底的に関係正常化に先立って日本政府の最高責任者が行うものとならなければならず、それは必ず関係正常化と関連して採択される最終文書に明記されなければならない。謝罪なき物質的補償は過去に対する反省ではなく、純然たる経済取引に過ぎないだけに、謝罪問題での日本の態度によって朝・日関係が左右される。 補償問題解決のための朝鮮側の原則的立場は第1に、加害者が被害者に反省と誠意をこめることにより、その過程が善隣友好関係樹立の礎となるような原則に基づいて行われるべきである。 第2に、実際の被害額を算数学的に計算したり、すべてを現状復元することができない状況で、被害者が十分に納得できるような補償額を決めると同時に、日本としても誠意を見せたと言えるようにすべきである。 第3に、日本がわが国に対する補償義務を半世紀もの間、遅らせてきた点を考慮し、最大限早い期間内に実効性ある補償をすべきである。 文化財問題は、日本が朝鮮に対する占領支配期間に破壊、略奪した文化的財富の具体的な現物に関するものであって、過去の清算の中核的な一部分である。 文化財問題と関連した原則的要求は第1に、日本が朝鮮民族抹殺政策の一環として多くの文化財を破壊、略奪したことに対して公式謝罪をし、第2に、破壊した文化財に対しては、相応の物質的補償をし、第3に、略奪した文化財を徹底的に返還すべきである。 さらに、文化財の破壊、略奪が旧日本の国家的政策の産物であっただけに、日本政府が文化財の返還ならびに補償問題に全責任をもつべきである。 在日朝鮮人への差別政策、謝罪し物質的に償うべき 在日朝鮮人の法的地位問題は、日本のわが国に対する軍事的占領と占領統治によって生じた問題である。 それにもかかわらず、日本政府は在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)の活動と同胞の生活を法的、制度的に弾圧、規制しており、白昼に同胞子女のチマチョゴリが切り裂かれ、さらには朝鮮総聯の会館と活動家に対する殺人、放火などのテロが頻繁に行われている。 この問題に対する朝鮮側の原則的立場は第1に、朝鮮光復(解放)前からこんにちまで在日朝鮮人に対する民族的な差別政策を引き続き実施し、彼らに政治的苦痛、物質的被害を与えたことを謝罪し、物質的に補償すべきである。 第2に、わが共和国と朝鮮総聯に対する敵視政策と在日朝鮮人に対するあらゆる民族的べっ視と差別を中止し、彼らの共和国国籍を認めると同時に、彼らが安定した生活を送れるような道徳的および法的措置を講じるべきである。第3に、在日同胞を日本社会に同化させる民族抹殺政策を放棄すべきである。 朝鮮側は、日本側が過去の清算に対する正しい立場と態度を持って在日朝鮮人の法的地位問題の速やかな解決に取り組むよう強く要求し、これと関連した別途の法的問題を双方の間で採択するよう提起した。 |