在日の歴史、なんでもQ&A

いつから日本に?

1890年のソウル


留学・出稼ぎ・商業など、植民地後に急増
統計では1882年に4人

  いつから同胞は日本に住むようになったの?

  現在、日本に住む在日朝鮮人は、統計上約64万人おり、日本国籍の人を含めるとその数は約100万人以上とも言われています。

 このように多くの同胞が故郷を離れ、日本に住むようになった最も大きな要因は、日本の朝鮮植民地支配にあります。しかし、同胞の存在は、朝鮮が日本の植民地となる「韓日併合条約」(1910年)以前にも見られます。統計資料で確認できるのは1882年からです。「日本帝国統計年鑑」によると、1882年は4人で、「併合」以前の1909年は790人と記されています。また別の資料には、1909年、1498人という記録があり、正確な数は分かっていません。

 「併合」前、同胞は主に留学、出稼ぎ、商売などの目的で日本にやってきました。

 留学生の中には、明治維新をモデルにして朝鮮の改革を行おうとした金玉均らによって、慶応義塾や陸軍戸山士官学校に派遣された学生もいました。

 出稼ぎに来ていた同胞もかなりの数になります。最も古い記録では、1882年2月25日付「神戸新報」によると、朝鮮人数名が県下の鉱山に来たというのがあります。1890年代末には九州の長者炭坑、筑豊の下山田炭坑で、朝鮮人労働者の就労が確認されています。1900年代に入ると、炭坑だけではなく、門司・鹿児島間を結ぶ肥薩線の敷設工事や、宇治川水力発電工事などの工事にも朝鮮労働者が使われています。

 これら朝鮮人労働者の多くは日本人ブローカーの募集を通じて、日本へ渡ってきたと言われています。このように「韓日併合」以前から同胞は、日本の資本主義発展に欠かせない過酷な「3K」労働の需要を補なわされていたのです。

 在日同胞の本格的な増加は、日本が朝鮮を完全な植民地とした1910年を境に始まりました。 (金大遠、研究家)

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