平壌レポート
軽工業省被服研究所 朝鮮服研究室
着こなしに個性
シーズンごとにファッションショー、チョゴリで流行発信
平壌市内にある軽工業省被服研究所には、朝鮮の民族衣装であるチマ・チョゴリの最新デザインを生み出す朝鮮服研究室がある。
民族的なものがより脚光を浴びる中で、朝鮮の若い女性たちがチマ・チョゴリを着る機会は以前より増えている。でも、ただの伝統回帰ではない。
研究室のキム・オンニョ室長(49)は、「以前は、チマ・チョゴリと言えばみんな固定観念にとらわれ、自由な着こなしができませんでした。でも最近は、各自が工夫を凝らして個性ある着こなしをするようになってきました」と語る。
同研究所では、流行に敏感な女性たちのニーズを把握するため、シーズンごとにファッションショーを開いてリサーチするなどの努力を重ねている。ショーで人気を集めた作品が、そのシーズンの基本デザインとなる。
「全体的に最近の流行色としてはスカイブルーと濃いピンクがあげられます。また世代別では、20代には細長いシルエットで軽快なデザイン、原色のチマ・チョゴリが人気。仕事に家事に忙しい30代は着心地のよさを重視する傾向が強く、40代は品のある格調高いデザインを好みます」と、キム・ミョンシル研究士(35)は話す。
現代性と民族的伝統をうまく融合させるのが、チマ・チョゴリをデザインする際のテーマだ。世界の流行も参考にしようと、世界各国からカタログや雑誌、書籍なども取り寄せている。
また、チマ・チョゴリをもっと日常的に着てもらおうと、素材選びやカッティングなどで着心地の良さと動き易さを増す工夫にも努めている。
「朝鮮の民族衣装、チマ・チョゴリの美を世界中に知らせたい」
キム室長は意欲満々だ。 (千貴裕記者)