山で元気!
二上山(517メートル、奈良県と大阪府)
朝鮮と縁深い歴史と民話の宝庫
奈良県登山協会は昨年10月に結成されたが、第1回目を二上山(にじょうさん)で行った。大阪府と奈良県にまたがり、古くは万葉集などにも歌われ「ふたかみやま」とも言われた。名の通り雄岳(517メートル)と雌岳(474メートル)の2つの山からなる。
この山は朝鮮とも因縁が深い。雌岳の南側には「竹の内街道」があり、かつて大阪(難波・なにわ)に上陸した朝鮮からの文化が奈良、大和に伝わるルートでもあった。この山を挟んで、大阪側を河内飛鳥、奈良側を大和飛鳥と呼び、一帯は古墳群である。
この山から採れる岩石はサヌカイト(別名・讃岐岩)と呼ばれ、石器用石材として使われ、古墳の石棺もこの岩石で作られているという。まさに歴史と日本昔話など民話の宝庫でもある。
参加者は大人12人と子供2人。登山口にある二上加守神社でまずストレッチ体操をし体をほぐす。
参加者の大多数は登山は初めてだったので時間をかけてゆっくりと最初の山、雄岳に向かう。昨日の雪が中裾から頂上にかけて残り、冬景色を楽しませてくれる。子供たちは大喜びで、途中雪ダルマ作りに夢中になっていた。
やがて雄岳の頂上に着き、小休止後、雌岳に向かう。一端下り、鞍部に出て、少し登れば間もなく雌岳。頂上からの展望は素晴らしく、西方は大阪湾、東方は私たちの住む大和平野が広がる。朝鮮からの伝来文化が根付いた土地である。
昼食しながら次回はどの山に登ろうかと話も盛り上がる。子供たちは元気で、登り下りもずっと先頭だ。途中二ヵ所に湧き水があり、のどを潤す。
終着は当麻(たいま)道の駅「ふるさと公園」で最後の仕上げ。公園内の小さな山には、456段の石段が一直線に頂上まで伸びている。上になるほど急勾配になり大変苦しいが登った人は全員頂上まで行き、壮快感を味わい大いに満足した。(奈良県登山協会・裴泰奎)
【コースとタイム】
近鉄南大阪線二上神社口駅〜二上加守神社〜雄岳〜雌岳〜岩屋峠〜祐泉寺〜当麻ふるさと公園〜二上神社口駅(2月27日、約4時間)
【山行アドバイス】
1年を通じて楽しめる。小動物、野鳥が多く小さな山だが少しきびしい。