取材ノート

法律ネタはむずかしい


 年金、保険、確定申告…。社会制度や法律の仕組みというのは本当にややこしい。経済の動きや同胞商工人の紹介などとともに「生活・権利」面も担当しているが、法改正とか新制度スタートといった記事を書く時の苦労は相当なものだ。読み手に分かりやすく書くには、当然、記者自身がその内容に精通していなければならないのだが、「自分の無知はこれほどのものだったか」と、頭を抱えることも多い。

 こんなことがあった。4月スタートの「成年後見制度」を説明する記事を書くことになった。何も知らなかった記者は「青年貢献制度」と思い込み、「ボランティア活動?」と恥ずかしい勘違いをしてしまった。正しくは「判断能力が不十分な人の財産管理などを法的に助ける制度」である。

 その道の専門家である同胞行政書士の勉強会に参加し、図書館で資料をかき集めた。それで制度の輪郭はある程度、理解できるようになってきた。

 自信満々に原稿を書き、その行政書士に見てもらった。ところが言われたのは「全般的な内容には基本的に誤りはないのだけれど、法律上の微妙な表現があり、言い回しは相当、危なっかしい。これじゃ不十分だね」。にわか勉強を見事に指摘されてしまった。

 自分が完ぺきに理解して書いていない記事を、読み手に理解してもらえるはずがない。とくに、普通に書けば小難しくなりがちな法律ネタなら、なおさらである。あまりにも当たり前なこのことを、今回の件で大いに思い知らされた。反省しきりである。

 だが半面、遅まきながら「学ぶ楽しさ」や「知る喜び」を覚えてきたのもまた事実。要は、絶えず勉強する姿勢と、自分自身のやる気である。

 現在、準備中のネタも、実は相当の「強敵」。覚悟して掛からないと。 (柳成根記者)

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