私のライフワーク
アマからプロに、目標は絵本作家
イラストレーター・姜孝美さん
コリアンを200%アピールできる作品、例えば…チョゴリ着たピノキオ
イラストは、人々の生活と文化とともに歩んでいくアートである。独特な線画を描く姜孝美さん(32)は、個性派イラストレーターとして最近、注目を浴びている。最近手掛けた「朝鮮の子どもの遊び博物館」(韓丘庸著)では、朝鮮の子どもたちの、伝統的な民俗戯の解説に挿絵を描いた。例えば囲碁の場合、囲碁を打つ2人の女の子などが描かれており、文とイラストがそれぞれの役割を果たし、渾然一体を成している。
挿絵は、文に合った絵の想像を3つ4つ膨らませ、これと思ったシーンを製作する。著者の意図を知り、読者全員に満足さを与えなければならないため、観察力、表現力、オリジナリティーが求められる。
1967年11月、兵庫県尼崎市で生まれる。93年、講談社のフェーマススクールズ「第1回ファンタジーイラストグランプリ」に入選。イラストを書き始めたのは中級部時代から。神戸朝高卒業後、実家の飲食店を手伝うかたわら、支部の集いなどに使うチラシに絵を書いたりもした。そんなオリジナリティー溢れるイラストが雑誌社の目にとまり、95年からは「MILE(未来)」などの挿絵を担当。以来、「朝鮮歳時の旅」(東方出版)、絵本「たんぽぽのはらで」(朝鮮青年社)などの挿絵も担当した。つまり趣味がこうじてアマからプロへと進むことになったのだ。
「自分の描いた絵が雑誌に載るとあって、満足される作品を作れるのかという不安もあったが、後戻り出来ないよう、思い切って名刺を作りました」
現在、原作とイラストの両方を作り上げる絵本作家を目指している。得意技は、「どんなに怖いキャラクターでも、ひょうきんなキャラに変身させてしまうこと」。
「グリム童話は怖いけど、絵が可愛ければ親しみやすいでしょ。チョゴリを着たピノキオがいてもおもしろいでしょうね」
そんな作品を頭に描きながら、各国の画家が出品するイタリアの「ボローニァ」国際絵本原画会入選を目標に製作に励んでいる。「コリアンを2000%アピールできる作品を手掛けていきたい」と抱負を述べていた。(羅基哲記者)