第26回 日朝教育交流のつどい/東京
まず隣人を知ろう
合同授業、各種交流拡大へ
東京都内の朝・日教職員らが主催する「2000年日朝教育交流のつどい」(主催=同実行委員会)が2月26日、東京・荒川区の東京朝鮮第1初中級学校で開かれた。授業参観、国際交流授業、全体会、東京第1児童生徒の小公演、焼き肉を囲んでの昼食交流会などが行われ、荒川区教育委員会の露木昌仙指導主事や荒川区立瑞光小学校の菊池英校長をはじめ朝・日の教育関係者と児童生徒、市民ら270余人が参加した。朝・日の教育関係者同士の相互理解を深め友好を図る目的で始まり、ここ数年は児童生徒同士の交流も盛り込んできた「つどい」は今回で26回を数える。
2002年度から日本学校でスタート
「総合的な学習の時間」も視野に
国際交流授業を参観
国際交流授業に参加した東京第1の初級部5年生と荒川区立瑞光小学校5年生は、昨年3月に東京第1で、12月には瑞光小で、それぞれ文化・スポーツ交流を行っており、顔を合わせるのは今回で3回目となる。
この日はまず、東京第1の児童が朝鮮の建国神話である「檀君神話」を芝居形式で披露し、瑞光小が朝鮮文化の影響を受けた日本のやきものについて調べた内容を紹介した後、互いに感想を話しあった。
次は民族楽器の体験。東京第1の児童数人がチャンゴなどの民族打楽器を手に登場し、朝鮮独特のリズム「チャンダン」を披露した後、瑞光小の児童らに叩き方を教えた。
一通り楽器演奏の体験が済んだ後は、みんなで「オッケチュム」(肩を上下に動かしながら踊る朝鮮独特の踊り)だ。初めは恥ずかしがっていた子たちも、軽快なチャンダンのリズムにすぐに乗せられ、手をつないで踊り出した。
最も多く、関係も深い
全体会では、国際教育交流推進に向けたアピールが採択された。アピールでは、古代の交流史、侵略と植民地支配への正しい認識をはじめ、教育の場において朝・日交流を深めていく必要性がうたわれた。
日本の学校では近年、「国際理解教育」が盛んに行われているが、欧米偏重になっているという指摘もある。しかし、この日集まった日本の教職員らは、日本と最も関係が深く、歴史的に克服すべき問題がある朝鮮半島について知り、日本に最も多く住む外国人である在日朝鮮人と交流することが重要だということで認識を共にしていた。
この背景には、2002年度から本格実施される文部省の新学習指導要領により、日本の小中学校に既存教科の枠を超えた「総合的な学習の時間」が新設されることがある。新指導要領はその内容として、国際理解、情報、環境、福祉・健康などを例示している。4月からは新指導要領への移行措置も始まる予定で、「総合的な学習の時間」を中心に準備、研究が進められている。現在行われている朝鮮学校との交流をこの枠内で行う意図を持っていたり、その経験に学ぼうという日本の教員は多い。
実際、東京朝鮮第1初中だけでも、この日交流授業を行った瑞光小をはじめ、数校の小、中学校と交流を続けている。こうした取り組みは全国各地の朝鮮学校で数多く行われており、中には歴史、美術など、日本の小学校と合同授業を共に正規の授業の枠内で継続的に行っている東京朝鮮第5初中級学校などの例もある。朝鮮学校側も、すでに蓄積、経験のあるこうした交流が、2002年の新指導要領実施を機に、より大きな輪として広がっていくことに期待を寄せている。 (韓東賢記者)