東京朝高舞踊部 米国公演/ロスとNYで、20〜28日
海外同胞結ぶ舞いに在米コリアンも支援、受け入れ準備
東京朝鮮中高級学校の高級部舞踊部が今月20日から28日まで米国公演旅行を行う。公演を通じて、半世紀以上の歴史を持つ民族教育を在米同胞社会に広く紹介することが目的。公演はロサンゼルスとニューヨークの2ヵ所で行われるが、趣旨に賛同した在米同胞が着々と受け入れ準備を進めている。
保護者らの公演実行委、一口カンパ呼びかけ/11日に試演会
対外公演の積み重ね
海外公演の話は、同舞踊部が日頃行っている対外公演がきっかけだった。公演を観覧した父母や同胞、日本市民や外国人の間から「もっと色んな国の人に見てもらう機会が作れないか」との意見が出され、昨夏から海外公演が本格的に検討されはじめた。
朝米関係の進展、200万人の同胞(海外同胞では世界最多)が住んでいることなどから、米国が候補地に上がった。近年同校を訪れた在米同胞が舞踊部の公演を見て、「在米コリアンにも見せたい」と要望したことが後押しにもなった。
ロサンゼルスとニューヨークの2ヵ所の公演先では現地の在米同胞との交流も予定しており、在日同胞参観団も参加する。
現地では在米同胞全国連合会を初めとする在米同胞団体や企業、各界各層の同胞らが、受け入れ準備を進めている。
舞踊部の保護者らは昨秋、公演実行委員会を発足させ、費用捻出のために物品販売を行ったり一口カンパ(1万円)を募るなど、財政面のバックアップに務めてきた。現在も募金を集めており、舞踊部員たちはその一助にと11日、公演の趣旨を広く伝えるための試演会を開く予定だ。
舞踊部を指導する白明姫教員は、「太鼓やチャンゴなど運送費だけでも大変な額。保護者、同胞、OBらの支援がなければ実現しなかった」と語る。一行は20日に日本を出発し、28日まで米国に滞在する。
(張慧純記者)
米国公演の試演会 3月11日(土)午後4時から東京朝鮮文化会館(JR十条駅)、参加費1000円 一口カンパ振り込み先=第一勧業銀行十条支店(普)1634928 東京朝鮮中高級学校 教務(名前と住所の明記を) |
在日の代表として頑張る/舞踊部、金和美主将
在米同胞は、私たちを在日同胞の代表として見るだろう。失敗できないと思うとプレッシャーや不安も感じる。
協力してくれたトンポの期待を裏切らないよう、みんなで心を合わせ、今練習に励んでいる。
今春卒業するが、もっと色んなことを学んで将来は母校で舞踊を教えたい。
未来の「生徒」たちのためにも、日本で朝鮮舞踊を守り続けるためにも色んなことを吸収してきたい。
「21世紀の教育」見すえ/東京朝高、金哲煥副校長
21世紀の朝鮮学校は、国際社会を担う人材を育てる使命がある。生徒たちは色んな世界を見ることで幅広い視野を持ち、海外同胞との触れ合いの中で強い民族心を養ってほしい。
本校では今回の公演をきっかけに、英語やコンピューター技術の習得のための短期留学も実現していく考えだ。21世紀を展望した、民族教育の発展のための「環境作り」のきっかけにしたい。海外同胞とのネットワーク作りも目的だ。
1つの民族 確認したい
企画引き受けたカリフォルニア州テクニカルカレッジ
キム・ジェソクさん(36)
金剛山観光、南北芸術家の音楽公演、南の大企業の北への進出…。時代の変化を感じさせる動きがある。近く朝鮮と米国は国交を結び、直行便も飛ぶだろう。そのような時代を予見するなら今、海外同胞の心を1つに合わせることが必要だと思い、企画を引き受けた。
在米同胞もUCLA音楽学校のキム・ドンソク教授らが公演に賛助出演する。生徒たちの受け入れ準備は着々と進んでいる。在米同胞には南北を越え1つの民族であることを確認し、同胞愛を育てようと、幅広く協力を呼びかけている。
交流を通じて私たちが体制や思想を越え、1つの民族だということを確認したい。今回の公演は統一への芽を育てるだろうと期待している。私たちの積極的な行動が、統一への第1歩となろう。