「ウリ民族フォーラム99in兵庫」/「ウリ時代21世紀」を語る
「ウリ民族フォーラム99in兵庫・ウリ時代21世紀」が11日、神戸ポートピアホテルで行われ、日本各地の青商会会員、兵庫県の総聯活動家と同胞ら、900余人が参加した。フォーラムは青商会会員らの年に一度の全国的な交流イベントで、1996年以来、各地方青商会が持ち回りで開催している。北海道、山口、東京に続く4回目の今年は、兵庫県青商会が主催した。全体フォーラム、分科別フォーラム、大宴会などが行われたが、全体を通じてのテーマは青商会の今後の進路。地方・地域にネットワークを構築して養った力を具体的にどこに振り向けて行くべきか、参加者らは真剣に話し合った。(関連記事)
可能性と役割指摘/第1部・全体フォーラム
第1部の全体フォーラム「ウリ時代21世紀・われわれの役割」には、パネラーとして、崔英俊(兵庫)、尹太(大阪)、朴秀蔓(京都)の各地方青商会会長、朝鮮大学校の金在日・経営学部副学部長、韓東成・政経学部助教授、白吉雲司法書士らが出演。21世紀に向けた青商会の進路について議論した。
討論では、「青商会世代は、1世の精神を引き継ぐ最後の世代。また朝鮮民族をめぐる情勢が激動した1960〜70年代に青少年期を過ごし、思想的にも打たれ強い。伝統と転換を同時に思考できる世代だ」(韓助教授)などとして、青商会が持つ可能性が指摘された。担うべき役割としては「子供らに同胞のネットワークを引き継ぐ時は、所属団体別に垣根があるようなままではいけない」(尹会長)などと、同胞社会から負の要素を取り除き、新たな展望を切り開く必要性が語られた。
参加者全員に配布されたアピール(要旨)は、「未来のために、より大胆に、より斬新に、そしてより貪欲に、豊かな同胞社会の創造に挑戦」しようと呼びかけている。
現実の切実さ論議/第2部・分科会
第2部では、ビジネス、同胞社会、教育の3分科に分かれて分科別フォーラムが行われた。ビジネス分科では、朝鮮大学校政経学部の呉民学講師が講演。同胞商工人がビジネスチャンスをものにしていくためのポイントについて語った。
同胞社会分科では、老人保健施設「ハーモニー共和」の鄭富子副施設長、近畿同胞結婚相談センターの朴輝国所長、同胞障害児の親たちの集まりである「ムジゲ会」の申桃順代表、白吉雲司法書士らが、同胞社会の現状について話し合った。
申さんは「精神的苦痛を感じている時、それを和らげてくれるような同胞社会になれば」と述べた。
また、5人の民族教育関係者が出演した教育分科では、生徒数や財政など、現実的な課題が話題となった。「スポーツ教育を充実させ、寄宿舎を生かして生徒を募るなどして地域の学校を活性化させたい。そのためには現行の学区制を見直す必要もあるのでは」などの発言もあった。
「復興の力」アピール/第3部・大宴会
第3部・大宴会のテーマは「復興する神戸より感謝を込めて」。オープニングでは、兵庫県青商会会員ら約100人が、阪神・淡路大震災当時の同胞の助け合いをテーマに今回のために作詞作曲した「愛の手をつないでいこう」を合唱した。震災発生から今日にいたる復興の道程を見せる映像をバックに披露された歌声に、参加者らは惜しみない拍手を送った。
兵庫朝鮮歌舞団の歌と踊り、西神戸のオモニバンド「イプニヨッターズ」の演奏が披露されたほか、東京都青商会のコーラスサークルも友情出演した。
北海道青商会の尹吉恵会長は、「期待以上の感動だ。兵庫の会員らの表情が実によかった」と感想を語った。兵庫・伊丹青商会の姜勇人副会長は、「兵庫の同胞は震災の惨事に遭っても朝鮮学校を建て直し、同胞社会を守ってきた。こうした意気込みを、皆に伝えることができたのではないか」と話した。
なお宴会では、8月のインターハイに出場する朝鮮学校生徒らに対する、青商会全体からの激励金の伝達なども行われた。